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イエレン米FRB議長の会見要旨

[ワシントン 17日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が、16━17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に行った会見の発言要旨は以下の通り。

 12月17日、イエレン米FRB議長がFOMC後、会見に臨んだ。ワシントンの会場で同日撮影(2014年 ロイター/Kevin Lamarque)

<負債を抱えた企業と原油相場>

負債についてや、負債を抱えた企業が原油相場の動向によって大きなダメージを受けるかどうかについてだが、金融システム全体としては借り入れの水準は危機前と比べてかなり低い。従って、負債を負った企業が(原油価格の下落によって)痛手を被ることは、重大な懸念事項ではない。ただし、注意深く見ていく必要がある。原油価格は、予想を超えて大幅に動くことがあった。

<中銀の独立性>

中央銀行が長期的に経済に最大の利益をもたらすと考える金融政策について、短期的な政治介入を受けずに決定できる能力は、金融政策の効果的な運用にとり、非常に重要だ。

過去の事例から、米国だけでなく世界中で、中銀が独立していることで経済のパフォーマンスが促進されることが示されていると考える。

中銀の独立性は重要だと認識している。

<ロシア>

われわれは当然、ロシア経済の状況を含む世界的な経済情勢についても討議した。

ロシアは原油価格下落で明らかに大きな打撃を受けており、通貨ルーブルは急落した。こうしたなか、ロシア経済は著しく困難な状況に直面している。

われわれは、貿易と金融の双方を通して米国にどのような影響が及ぶか、当然討議した。しかし、こうしたつながりは実際、あまり大きくない。米国に限って言えば、波及的な影響はかなり小さいと見ている。ただ、状況は当然注視している。

<金利は必ずしも「計画」されていない>

FOMCの一部において、計画されたペースで動く、もしくはそのような文言を利用するという決定は何らされていない。会合ごとに計算されたペースで25ベーシスポイントずつ行動するという順序を踏むのをわれわれはおそらく好まないだろう。

われわれは政策を正常化することができると見込んでいるが、そうした条件が整い、経済活動を抑制している事象がなくなるまで金融政策は緩和的であり続ける必要がある。そうした意味でおそらく、正常化への道のりは比較的緩やかになると見込まれると言っているのと同じなのかもしれないが、金利の道のりは実際の経済情勢の進展次第だということに変わりはない。そして、それはFOMCの一部に対する期待でしかない。

<反対票について>

このような重大な決定を下す局面では、意見が割れることは十分妥当だと思う。

<政策変更はいずれの会合でもあり得る>

すべての米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で政策決定を行う可能性があり、われわれは気兼ねなくそうする。政策変更は会見が予定されている会合のみしかないとの見方を強く否定したい。もし政策の正常化開始を決定した際には電話会議を開くと思う。

<正常化プロセス>

われわれの目標に向かって、われわれの現在の予想よりも速い進展が見られた場合、正常化プロセスは現在予想されているよりも早い時期に行われる可能性がある。当然、この逆もあり得る。こうした意味で、(正常化プロセスをめぐり)どのFOMCも除外できるものではないことを、まず強調しておきたい。

現時点では、少なくとも向こう2回(for at least the next

couple of meetings)のFOMCで、われわれが正常化プロセスの開始を決定することが適切となる条件が整う公算は小さいと考えている。

FOMCメンバーの多くが、来年の年央までには適切な条件が整うとのそれぞれの見方を示している。ただ、タイミングは予め決められているわけではなく、適切な条件が整う時期についてもさまざまな見方が出ている。このため、われわれは来年、注意深く見守ることになる。

<原油価格下落>

米国、および米国の見通しの見地から、これまで見られた原油価格の下落(の影響)は、差し引きでプラスになる可能性があるとFOMCが判断したと考えている。

ガスやエネルギー支出の減少につながるため、当然、家計には恩恵となる。その意味では、家計の購買力の増大につながる減税のようなものと言える。

米国の原油生産は劇的に増加したものの、米国は今も原油の純輸入国だ。油田掘削の縮小や投資削減などの動きが出る可能性もあるが、米経済の見地から見れば、差し引きでプラスの影響があると見ている。

<一時的なインフレ圧力>

デフレに関して言えば、エネルギー価格の下落を受け、総合インフレ率に対する下向きの圧力が存在していると見ている。

総合インフレ率はエネルギー価格の下落により押し下げられると、われわれは当然、認識している。コアインフレ率にもある程度、影響が及ぶ可能性がある。ただ現時点では、こうした動きは一時的なものであるとみている。

<利上げに必要なインフレ・労働状況>

利上げの時期までに、参加者は失業率がさらに低下し、労働市場状況が一段と改善すると想定している。さらにコアインフレは現在の水準近辺で推移すると予想しているが、インフレ率が今後、長期インフレ目標である2%に向かって伸びていくとの適度な自信を持っていると想定している。

<FRBが近く正常化に踏み切る『公算小さい』>

最大雇用と2%のインフレ率の目標達成に向けた進ちょくが継続する中、政策緩和の低減に着手することが適切となる時期がいずれやってくる。だが現在の見通しを踏まえ、FOMCはこれを行う上で、辛抱強くあることができると判断した。とりわけFOMCは少なくとも今後2回の会合(for at least the next couple of meetings)で正常化プロセスに着手する可能性は低いと考える。ただこの見解はもちろん、全く指標次第だ。

<”A COUPLE”の意味について>

おそらく辞書では、”couple”は「2」を意味すると思う。したがって、”a couple” は「2」だ。

<インフレについて>

FOMCはインフレが緩やかに目標に向け戻ると見込んでいる。見通し作成に当たっては、FOMCはインフレに関する市場ベース指標の最近の低下に気を配っている。FOMCは現時点で、こうした動きは一時的なものであろうとみなしており、より長期的なインフレ期待に関する調査ベース指標は引き続き安定している。これは明らかにこの分野の進展を注視する必要があることを示している。

<金利ガイダンス>

連邦公開市場委員会(FOMC)はまた、フェデラルファンド(FF)金利をめぐるフォワードガイダンスを修正し、金融政策スタンスを正常化し始めるにあたり、FOMCは辛抱強くあることができると判断していることを示した。

この新たな文言はわれわれの政策の意図が変化したことを示すものではなく、資産購入プログラムの終了後も現行のFF金利の目標誘導レンジを「相当な期間」維持することが適切になる、としていたこれまでのガイダンスと完全に一致するものだ。

ただ、資産購入プログラムは10月に終了し、米経済はわれわれの目標に向かって進展を見せ続けていることから、FOMCは現時点でガイダンスをある程度修正することが適切と判断した。

*内容を追加します。

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