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視点:日本は2%成長堅持で「内向き化」回避を=ジョセフ・ナイ氏

[東京 26日] - 米国の対アジア外交にいまだ強い影響力を持つといわれるジョセフ・ナイ元米国防次官補(現ハーバード大学教授)は、日本の課題として、2%経済成長の堅持と女性の活躍推進、そして2015年に迎える戦後70年の機会をとらえ中韓との関係改善を図ることの重要性を説く。

 12月26日、ジョセフ・ナイ元米国防次官補(現ハーバード大学教授)は、日本の課題として、2%経済成長の堅持と女性の活躍推進、中韓との関係改善の3つに言及。提供写真(2014年 ロイター)

同氏の見解は以下の通り。

●改革にTPPは有効、農業分野で譲歩必要

日本は2%以上の経済成長を堅持すべきだ。これは、経済にとって重要なだけでなく、心理面にも影響を与える。日本が内向きにならないようにするためにも大事なことだ。

そのためには、日銀による金融緩和策と一段の拡張的財政政策、そして構造改革を推進するアベノミクス「第3の矢」のすべてが必要となる。構造改革を進展させるには、環太平洋連携協定(TPP)締結のため、さらなる譲歩(特に農業分野)が必要となるだろう。

●女性活躍推進プログラムの強化を

安倍晋三首相が打ち出した女性の活躍推進は、正しい政策だと言えよう。人口問題を抱えるなかでの、移民受け入れに対する消極性(規制緩和されるべきだが)を考えると、日本は現在のように有能な人材プールの半分を無駄にはできない。

首相は、2020年を目途に(女性が指導的地位に占める割合を30%程度にするなど)野心的な目標を設定した。だが(今のままでは)これらの目標を達成するのは難しいだろう。女性活躍推進プログラムをどう強化するのか検討する必要がある。

●歴史問題で論争せず、中韓との関係改善を図る

日本は「歴史問題」に関する論争から離れるべきだ。歴史問題に関する新たな報道の真偽や、当時起きたことの詳細についての論争は、日本にとってマイナスでしかない。平和で民主的な現代日本の成功にではなく、もはや存在しない軍国主義時代の日本に人々の意識を向かわせるだけだ。

2015年は戦後70年という節目を迎える。過去にとらわれるよりも、この機会を利用して韓国と中国とともに未来に目を向けるべきだ。

(編集:麻生祐司)

*ジョセフ・ナイ氏は、米ハーバード大学教授。カーター政権で国務次官補、クリントン政権で国防次官補など米民主党政権下で要職を歴任。国の競争力について、ハードパワー(軍事力や資源)とソフトパワー(文化的・政治的影響力)を組み合わせた「スマートパワー」の重要性を提唱したことで有名。知日派としても知られる。

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの特集「2015年の視点」に掲載されたものです。

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