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期限迫る邦人人質事件、政府は複数チャンネルで交渉 

[東京 23日 ロイター] - 政府は23日、過激派組織「イスラム国」によるとみられる邦人人質事件における殺害警告期限が同日午後に迫る中、多様なチャンネルを駆使し、2人の日本人人質の解放に全力を挙げる方針を示した。ただ、人質解放をめぐるやり取りに進展があるのかはっきりした情報はなく、情勢は緊迫の度を高めている。

 1月23日、岸田文雄外相は、過激派組織「イスラム国」による人質事件について、「政府一丸となって情報収集に努め、2人の早期解放に全力で取り組む」と述べた。16日撮影(2015年 ロイター/Adnan Abidi)

岸田文雄外相は23日の閣議後、過激派組織「イスラム国」による人質事件について、「政府一丸となって情報収集に努め、2人の早期解放に全力で取り組む」と述べた。殺害警告の期限が目前に迫っているが、解決のめどは立っていない。

イスラム国は20日、日本人の湯川遥菜さんと後藤健二さんを人質に取り、72時間以内に2億ドルの身代金を支払うよう求める動画をインターネット上に投稿した。政府は同日午後に動画を確認しており、日本時間の23日午後2時50分ごろが期限と認識している。

岸田外相は対応の進捗について「各国から協力いただき、引き続き情報を分析している」としたものの、具体的な内容は明らかにしなかった。また、身代金の支払いについても「テロに屈しない」と述べるにとどめ、明言を避けた。

また、菅義偉官房長官は同日午前の閣議後会見で、あらゆるチャンネルを使って2人の早期解放に全力を挙げている、と述べた。22日に日英首脳会談があり、その場でも英国に対し、この問題での協力を求めたことにも触れ、関係する国や関係者に協力を求めていると強調した。

イスラム国が声明を発表する予定との報道については、いろいろな情報に接しているが、真偽について政府としてコメントは差し控えるとした。

一部の報道で、日英首脳会談において安倍晋三首相が身代金の支払いに応じないスタンスを伝えたと報道されていることに関し、菅長官は「日本の立場は2人の早期解放を求めるとともに、テロに屈することなく国際社会のテロに対する戦いに貢献することだ。その趣旨を伝えたと思う」と述べた。

一方、 麻生太郎副総理兼財務金融担当相は、財務省内で記者の質問に答え「テロリストの要求をのめば屈することになる」との考えを示した。

中谷元防衛相は、人質事件に関し「まず人命第一の観点で、各国と協力しつつ、早期解放に向けて最大限の努力を尽くす。第2として、テロに屈することなく、国際社会におけるテロへの取り組みに積極的に貢献していく我が国の立場に変わりはない」と述べた。

また、中谷防衛相は、米国のヘーゲル国防相から、米国は日本国民との強い連携を示し、人質救出を実現するために、あらゆる方策をもって協力したい、とのメッセージがあったことを明らかにするとともに「米国から全面的な協力をしてもらっていることに感謝する」と会見で述べた。

殺害警告の期限が23日午後に迫る中、拘束された2人のうちの1人であるジャーナリスト、後藤健二さんの母親の石堂順子さんは同日午前に都内で会見した。石堂さんは「日本国民、政府、諸外国のみなさんにご迷惑をおかけしていることに心よりお詫び申し上げます」と謝罪。その上で「息子は戦地の子どもたちの命を救いたいと言っていた。イスラム国の敵ではない、解放して下さい」と語った。

後藤さんは昨年10月末にシリアに入国。行方が分からなくなっていたが、今月20日にイスラム国とみられる組織が殺害を予告する映像を公開した。日本政府は交渉期限を23日午後2時50分ごろと認識している。

石堂さんによると、後藤さんは先に拘束された友人を助けるために現地に向かったという。友人は、昨年8月に拘束された湯川遥菜さんとみられる。

石堂さんは「残された時間はわずかです。日本政府のみなさん、健二の命を救ってください」と訴えた。

*内容を追加します。

田巻一彦

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