[アテネ 25日 ロイター] - 25日投票のギリシャ総選挙は、開票率およそ60%の段階で、最大野党の反緊縮派、急進左派連合(SYRIZA)が300議席中149議席を獲得する見通しとなった。得票率は36.1%で、サマラス首相率いる与党・新民主主義党(ND)をおよそ8ポイント上回っている。
急進左派のチプラス党首は支持者を前に勝利宣言。国際支援団体が課した財政緊縮という「屈辱と苦難の日々」は終わったと表明した。
公式発表にはあと数時間かかる見通し。全人口の半分弱が居住するアテネで集計が終わっていないため、結果はまだ流動的な面もある。
急進左派が政権を獲得すれば、緊縮を求めるドイツなどとの軋轢が深まり、70億ユーロ超の次回の支援策実施が不透明になりかねない。
急進左派のスポークスマンによると、サマラス首相はチプラス党首に電話をかけ、総選挙での勝利に祝意を伝えた。
ギリシャでは失業率が25%を超え、貧困に苦しむ人も多い。国民の間で「緊縮疲れ」が広がる中、急進左派は急速に支持を伸ばした。
チプラス党首は「壊滅的な緊縮は終わった。恐怖と独裁、屈辱と苦難の日々は終わった」と宣言。「公平かつ、相互の利益となるような解決策」に向けて、ユーロ圏指導者と協力する、との姿勢を示したが「ギリシャと国民が失った尊厳を回復することを優先する」と述べた。
キャメロン英首相は、ギリシャ総選挙の暫定結果についてツイッターでコメント。欧州経済に不透明感が広がりかねないと警告した。
急進左派勝利の暫定結果が伝わった朝方のオセアニア外国為替市場では、ユーロは米ドルなど、大半の主要通貨に対して下落している。
急進左派が第1党になることがほぼ確実になった今、注目されるのは単独過半数を獲得するのかどうかだ。単独過半数に届かない場合、他の政党と連立を組むか、少数与党として政権を樹立することになる。
*内容を追加します。
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