[ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)はこれまで、エボラ出血熱やロシア危機、ユーロ圏の経済問題など、海外経済の混乱に口をつぐんできた。しかし28日に発表された連邦公開市場委員会(FOMC)声明ではついに、利上げを判断する際に重視する要因として、「国際情勢」が加わった。
FOMC声明が海外経済に言及するのは2013年1月以来。FRBが利上げを秋まで先送りするサインとの憶測が一部で広がっている。
FOMC声明では「経済活動はしっかりした(solid)ぺースで拡大している」とも指摘され、景気判断が上方修正されたが、米債券市場ではむしろ「国際情勢」の部分への反応が大きく、利回りは低下した。
ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ債券ストラテジスト、ジム・コーチャン氏は「一部のメンバーは、ドル高と海外経済の弱さが米経済の成長を鈍化させる可能性を懸念している。懸念が現実のものになれば、利上げ時期を遅らせる可能性がある」と指摘する。
ただ国際情勢への言及があったとは言え、かつての声明に盛り込まれていたほど強い内容ではないため、今回の言及は附随的なものとの見方も多い。TDセキュリティーズの米国ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は「声明は全体的にはややタカ派寄り」としている。
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