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アングル:クアルコム和解で変わる中国スマホ産業、知財権に注目

[北京 13日 ロイター] - 米半導体大手クアルコムQCOM.Oが独占禁止法違反の罰金を支払うことで中国当局と和解したのをきっかけに、中国のスマートフォン産業では知的財産権が脚光を浴びるようになり、ビジネスの手法が大きく変化しそうだ。

 2月13日、米半導体大手クアルコムが独占禁止法違反の罰金を支払うことで中国当局と和解したのをきっかけに、中国のスマートフォン産業では知的財産権が脚光を浴びるようになり、ビジネスの手法が大きく変化しそうだ。北京で昨年9月撮影(2015年 ロイター/Jason Lee)

クアルコムが中国で締結していたクロスライセンス契約の下では、同社の小規模顧客が大手顧客の特許に自由にアクセスできるようになっていた。今回の和解ではこの問題が解決された。

これにより、通信機器大手の中興通訊(ZTE)000063.SZや華為技術(ファーウェイ)など通信関連特許を保有する企業は今後、ロイヤリティーを要求できるようになる。中国では特許法の整備が進んでいることもあり、スマホ業界での訴訟リスクも一方で高まりそうだ。

業界団体モバイル・チャイナ・アライアンスのWang Yanhui事務局長は「和解により、中国国内のメーカーは初めて知的財産の価値を認識せざるを得なくなり、これをどう戦略的に活用するかの検討を迫られる。西側の企業がやっているようにだ」とし、「これが(クアルコムの)和解の真の重要性だ」と指摘した。

世界最大のスマホ製造、消費市場である中国では、業界の勢力図がとりわけ複雑だ。モバイル通信技術の重要な特許を数多く抑える大手通信機器メーカーが、より若く小回りの利くメーカーとも競合している。

創業から4年のスマホメーカー、北京小米科技(シャオミ)のように特許面で大きな弱みを抱える企業にとって、クアルコムの和解は厄介な状況をもたらすかもしれない。

ZTEの弁護士団は昨夏から、同社の特許を利用するスマホメーカー数社宛てにロイヤリティーの支払いを求める書簡を送り始めており、中国メディアによると、シャオミは標的企業の一つとされる。両社はコメントを控えた。

<特許という金脈>

ZTEは声明でクアルコムの和解について「中国における知的財産権の発展と保護にとって前向きな動きであり、技術革新の担い手の公正な競争を促進するだろう」と評価した。華為も同様の見解を表明している。

トムソン・ロイターのデータによると、ZTEと華為は2007年から13年にかけて各々3万4000件近くの特許を申請した。

事情に詳しい筋によると、ZTEは特許権による多額の利益を見据えており、同社幹部らは最近、ロイヤリティー徴収がもたらす財務上の好影響について産業アナリストから説明を受けるよう、米国の主要株主に指示したという。

<ただ乗りに終止符>

中国では折しも知的財産をめぐる法制度が徐々に整ってきている。政府は海賊版横行の悪評払拭に努めるとともに、最先端の技術革新を後押ししてきたからだ。

国務院(内閣に相当)は2008年、知的財産保護の指針を発行し、翌年には特許法を大幅修正した。トムソン・ロイターの分析によると、特許侵害の訴訟は06年以来、3倍以上に増えている。

グローバル・ロー・オフィスの弁護士Meph Jia Gui氏は、クアルコムの「傘」が取り払われたことで、多くの小規模なモバイル企業は訴訟や特許購入、基礎研究のコストが増大し、市場から締め出されかねないと予想。「長い目で見ると、こうした『特許のただ乗り』を取り上げられたことにより、彼らは特許研究への出費を増やさざるを得なくなるだろう」と語った。

(Gerry Shih記者)

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