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GPIFが予想超える日本株買い、「余力」大きく期待残る

[東京 27日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による日本株買いが、市場予想を上回るペースで進んでいる。それでも買い余力を残しているほか、3共済などが追随する見通しであり、さらなる買いが期待されている。ただ、同ペースで買い進めば年内にも目標中央値に達するため、警戒感も出ている。

 2月27日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による日本株買いが、市場予想を上回るペースで進んでいる。写真は東証。2014年10月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

「想定以上の買い入れ規模だ」──。大和証券・投資戦略部マーケットアナリストの熊澤伸悟氏は、GPIFによる10─12月の買い入れ額を試算して驚いた。

GPIFが27日公表した2014年12月末時点の国内株式の運用比率は19.80%と、9月末の17.79%から2ポイント上昇。運用資産額と収益額を用いて試算した買い入れ額は約1兆7000億円に上った。

3カ月で1兆7000億円の買い入れは、年間に換算すれば6.8兆円。日銀が実施しているETF(上場投資信託)の年間購入額3兆円の2倍超にのぼる。

2013年に海外投資家が買い越した15兆円には及ばないものの「GPIFの買いは、すぐには売り出さない玉。3カ月で1兆7000億円と大きな金額を実際に買っていたことに安心感を覚える」(いちよしアセットマネジメント・執行役員運用部長の秋野充成氏)との声が出ている。

買い余力も依然大きい。昨年12月末から2月末までTOPIXは8.2%上昇。同期間の保有資産の売買を考慮せずに大和証券・熊澤氏が試算したところによると、GPIFの国内株式の保有割合は、足元で21%程度という。ただ、それでも目標としている25%までの買い余力は5兆円を超える規模だ。

さらに共済年金による保有比率変更も後押しする。国家公務員共済年金(国共済年金=KKR)は25日、国内株式の資産配分を現行の8%からGPIFと同様の25%に引き上げた。地方公務員共済年金や私学共済年金なども同水準近辺に変更するとみられており、3共済が国内株式を25%に引き上げた場合の買い入れ額は、約3兆5000億円と試算されている。

みずほ証券・投資情報部長の倉持靖彦氏は「GPIFや3共済など公的年金による買いに加え、6月の株主総会にかけて企業の自社株買いの活発化などが追い風となる。国内景気や企業業績の回復モメンタムの加速、ROE(株主資本利益率)革命なども追い風となり、4─6月期にも日経平均2万円にタッチする」との見方を示す。

もっとも年後半には株高基調が失速する可能性も指摘されている。GPIFが3カ月で1兆7000億円の買い入れペースを続ければ、年内にも目標である25%に届く公算が大きいためだ。

さらに9%積み増す「のりしろ」もあるが、目標値に達すれば積極的な買い増しは限られる。BNPパリバ証券・日本株チーフストラテジストの丸山俊氏は「GPIFの国内株式割合が25%となれば、従来通り上値で売り、下値で買うという逆張りスタンスに戻る。公的年金による国内株の買い入れは、売り手を遠退かすアナウンスメント効果も強く、押し上げ分がはがれる怖さもくすぶる」との見方を示している。

杉山容俊 編集:田巻一彦

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