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焦点:原油価格の下落再開、米シェール業界は生き残りかけ正念場

[ヒューストン/ウィリストン(米ノースダコタ州) 18日 ロイター] - 原油価格CLc1CLc1は今年、しばらくの間は落ち着いて推移していたが、3月上旬ごろから再び下落基調に入った。近いうちに本格的な原油安局面が始まる可能性もあるなかで、米シェールオイル生産会社が生き残りをかけた支出削減を余儀なくされることは必至、とみられている。

 3月18日、原油価格は今年、しばらくの間は落ち着いて推移していたが、3月上旬ごろから再び下落基調に入った。写真は油ポンプ、2014年10月撮影(2015年 ロイター/Hamad I Mohammed)

シェール会社が支出削減を加速させれば、その影響は業界内だけにとどまらない。既に苦境にあえいでいる油田サービス会社がさらに打撃を受けるほか、米原油生産が減少に転じる時期が早まる可能性もある。

オッペンハイマーの石油アナリスト、ファダル・ゲイト氏は「私が石油会社を経営しているとすれば、考えることは1つ。どれだけコストを削減できるかだ」と話す。エネルギー会社の多くが四半期決算を発表する5月に、設備投資予算削減の新たな波が来ると予想している。

ロイターが公表文書を基に行った集計によると、昨年6月以来の原油安を受けて、米石油会社は20─60%の支出削減を実施。油田サービス会社では、全体で3万人以上の人員削減が行われた。

米格付け会社ムーディーズによると、同社がカバーしている北米の石油探査・生産会社の約5分の1が今年、支出を60%以上削減する見通し。半分以上で、少なくとも40%の支出削減が予想されるという。

原油価格は一時、下げ止まったかのように見えたが、価格は再び下落し始めた。供給過剰への警戒感から、米原油の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は1週間で12%下落し、42ドルとなった。シティバンクとゴールドマン・サックスは、30ドル、場合によっては20ドルまで下落する可能性がある、としている。

ヒューストンのある銀行関係者は、買収に関するうわさが絶えないと明かす。しかし、どの会社も、身売り先を模索する最初の会社になることは避けたいと考えているため、具体的な話はまだないようだ。

米国でトップのシェール企業であるアナダルコ・ペトロリアムAPC.Nのアル・ウォーカー最高経営責任者(CEO)は今月、「この環境下で成長を追求することに、価値を見出させない」と述べている。

石油会社は昨年11月から今年2月の間に、数百億ドルの設備投資予算の削減を実施。2度のコストカットを断行した企業も多く、5月の第1・四半期決算発表後に、再びコスト削減に踏み切る可能性がある。

コノコフィリップスCOP.Nは17日、既にコストカットを発表している。コノコは、向こう3年間の支出見込み額を年あたり115億ドルと発表し、160億ドルとしていた従来の見通しを下方修正した。

ベーカー・ヒューズによると、米国の陸上掘削リグの数は、2014年のピークだった11月の1876基から43%減少し、先週は1069基だった。今後、一段の減少は不可避と見られており、米国の原油生産が政府の予想よりも早く減少に転じる、と見る向きが増えている。

米エネルギー情報局(EIA)が今月10日に発表した最新の見通しによると、米国の原油生産量は5月に日量946万バレルに達してピークをつけ、6月には日量941万バレルに減少するという。

一方でEIAは、米国の2大シェール層であるイーグルフォード(テキサス州)とバッケン(ノースダコタ州)について、生産は4月に減少する、と予想している。生産が減少するのは、2013年にシェール層の生産高を集計し始めて以来初めてのことあり、全体の米原油生産が近いうちに減少に転じることを示すサイン、と受け止められている。

Anna Driver記者、Ernest Scheyder記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子

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