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対外投資増でも勢い鈍いドル高、転機迎えるか焦点=今週の外為市場

[東京 23日 ロイター] - 今週の外為市場では、市場の需給バランスに再び関心が注がれそうだ。年金などを中心に、本邦勢は年初から積極的な海外資産投資に動いているが、その割には勢いづかないドル高/円安が転機を迎え、円売りフローに素直に反応するようになるかが注目される。

 3月23日、国内勢は年金などを中心に年初から積極的な海外資産投資に動いているが、ドル高/円安が勢いづかない。今週は、市場が円売りフローに素直に反応するようになるかが注目される。 ブルガリア・ソフィアで12日撮影(2015年 ロイター/Stoyan Nenov)

予想レンジはドル/円が119.00―121.50円、ユーロ/ドルが1.0350―1.0850ドル。

<海外資産投資の盛り上がり>

財務省が19日に発表した3月8日―3月14日の対外及び対内証券売買契約等の状況によると、本邦勢による対外株式投資は5106億円の買い越しだった。買い越しは17週連続。対外中長期債投資は5511億円の買い越しで、買い越しは8週連続となった。

月次データをみると、投資信託経由の外株買いは2月に6140億円(3カ月平均で7440億円)と高水準にある。

加えて、2月は年金マネーを扱う信託銀行からの外国証券投資も1兆610億円まで膨らんだ。

野村証券チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は「公的年金による外貨買い/円売りの規模を毎月1兆円」と推計しているが、年金マネーをすべてヘッジなしと仮定すれば、2月の数字と整合的になる。

こうした証券投資に加え、日本企業による海外企業のM&Aが急増しており、2015年1―3月には約3兆9000億円に達し、9年ぶりに四半期ベースの最高を更新した。

<もたつくドル高/円安>

本邦勢による海外資産投資が勢いづいているにもかかわらず、ドル高/円安の足取りがもたついていることに違和感を覚える参加者も多い。

ドルは年初の120円付近の水準から1月半ばに115.85円まで下落。その後、3月10日に122.04円まで上昇したが、約1週間後に119.29円まで振り落された。

ドル高/円安のもたつきの原因について、FXプライムbyGMO常務取締役、上田眞理人氏は「かつてのようにフルヘッジで対外投資に臨む投資家はいないと思うが、とは言うものの、完全にヘッジなしの投資が増えているわけではないのではないか」と述べ、円売りフローに結びつく対外投資が見かけより少額である可能性を指摘する。

さらに、海外勢による日本株の手じまいに伴う円売りヘッジの巻き戻しも、円売り圧力を相殺した可能性がある、と同氏は言う。

ただ、先々週から、外国勢は日本株買い・円売りを再開しているとされ、海外勢に由来する円高圧力が後退する余地があると同氏はみている。

<米利上げ時期>

一方、外為市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)を経てFRBの利上げ開始は6月よりも9月以降との見方が強まっている。

「足元の米主要指標をみても雇用関連は強いが、消費者や企業のマインドに加え、実際の消費や生産、物価動向は弱めの数字が続いており、景気に対して強気を維持しづらい状況でもある」とみずほ証券チーフFXストラテジストの鈴木健吾氏は言う。

今週は「発表される米国の指標を一つ一つ吟味し、いったんは遠のいた6月利上げ観測が復活するか否かを見定める展開となりそうだ」とFXプライムbyGMOの上田氏は予想する。

3月23日から始まる週に公表予定の主要経済指標は、23日のシカゴ連銀全米活動指数、24日のHSBC中国製造業PMI、米消費者物価指数、リッチモンド連銀製造業指数、25日の米耐久財受注、独IFO業況指数などがある。

為替マーケットチーム

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