[東京 31日 ロイター] - 林芳正農林水産相は31日、閣議後の会見で、1月に発効された日豪経済連携協定(EPA)で牛肉の輸入関税が引き下げられたことについて、国産牛肉価格への影響は特段見られないとの見解を示した。
日豪EPAでは、冷凍牛肉の関税を38.5%から19.5%まで段階的に削減するとしており、1月15日にまず30.5%に引き下げられた。4月1日からはさらに28.5%に下げられる。
林農相は、今年1─2月の牛肉需給動向を2012─14年の同期と比較すると、輸入は全体で3%減、豪州産は21%の減少だったと明らかにした。輸入価格については、円安の影響もあり豪州産・全体とも約6割上昇、これを受けて国産牛肉の卸売価格は3─8割上昇したという。
農相は「価格や輸入量は為替など関税以外の様々な要素に左右される」としたうえで、「最近の需給動向を見ると、日豪EPAに伴う影響は特段表れていない。今後の動向については引き続き注視したい」と述べた。
一方、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設作業をめぐっては、翁長雄志沖縄県知事が出した作業停止指示について、農水省が30日に効力一時停止を決め、同知事が「審査は公平公正に行われたのか」と疑問を表明。このコメントについて見解を問われた農相は、「公平公正であることは当然で、申し上げるまでもない」とし、「知事のコメントにいちいちコメントする立場にない」と答えた。
宮崎亜巳
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