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焦点:日銀短観から推計の需給ギャップ、人手不足で改善の公算

[東京 1日 ロイター] - 企業の雇用に対する不足感が1日の日銀短観で明らかとなり、日銀が物価を動かす要因として重視する需給ギャップは縮小している公算が大きくなった。日銀は物価を押し上げる力が引き続き働いていると説明できそうだ。

 4月1日、企業の雇用に対する不足感が日銀短観で明らかとなり、日銀が物価を動かす要因として重視する需給ギャップは縮小している公算が大きくなった。18日撮影(2015年 ロイター/YUYA SHINO)

ただ、2月の消費者物価指数(生鮮除く、コアCPI)が前年比横ばいにとどまり、目標とする2%の達成には「期待インフレ率」の大幅上昇が欠かせないという状況に変わりない。

日銀が物価の動向を見るうえで重視しているのは、需給ギャップと期待インフレ率だ。日本経済の設備や雇用の平均的な稼働率からのかい離を示す需給ギャップは試算に時間がかかるため、日銀では短観の設備判断と雇用人員判断をもとに「短観加重平均DI」を作成している。

3月短観を踏まえた加重平均DIは9日、10─12月期の需給ギャップ試算と同時に公表される。このDIを独自に試算しているニッセイ基礎研究所によると、3月は11.1の需要超過となり、昨年12月の9.8から改善する見通しだ。

背景には雇用人員判断で需要超過幅が2ポイント拡大したことがある。特に非製造業は24と大幅な需要超過となっており、ニッセイ基礎研・シニアエコノミストの上野剛志氏は「人手不足が広がっており、業種によっては事業の制約になり得る。賃上げしなければ人手を確保できないだろう」とみる。

今回の調査から従来1万0312社だった対象企業が1万1126社に増加し、中堅・中小企業の比率が高まった。対象企業の変更に伴い、ニッセイが試算する昨年12月のDIも9.5から9.8に需要超過幅が拡大した。

ただ、需給ギャップが1%程度改善しても、物価は0.3%程度しか上がらないと日銀は試算。目標とする2%の物価上昇率は期待インフレ率が非連続的にジャンプしないと達成できないとの見通しが、各種公表資料をもとに分析した複数のBOJウオッチャーから出ている。

しかし、期待インフレ率の動向は定量的な把握が難しい。日銀は2日公表される短観の企業物価見通しや春闘などによる賃上げペース、各種アンケートによる企業や家計の物価観をベースに総合判断をしている。

市場の物価観を示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI<JP0019BEI=JBTC>)は消費増税延期の影響などを受け、昨年11月までに1.2%程度から0.8%程度まで急落した。その後は緩やかに上昇を続け、現在は1.1%程度となっている。

今回の短観では、人手不足による雇用ひっ迫感が拡大しているにもかかわらず、販売価格について企業は慎重な判断(中小企業は足元、先行き「下落」超)を示しており、日銀の判断が注目される。

竹本能文 編集:山口貴也

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