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焦点:2分間だけの日経2万円、注目される決算と期待のギャップ

[東京 16日 ロイター] - 今のところ日経平均.N225が2万円をつけたのは、前週末の2分間だけだ。寄与度の大きい一部銘柄が急騰して押し上げたが、心理的節目をいったん超えたことで、海外勢などは様子見に転じているという。

 4月16日、今のところ日経平均が2万円をつけたのは、前週末の2分間だけだ。心理的節目をいったん超えたことで、海外勢などは様子見に転じているという。写真は日経平均2万円超えを示す株価ボード。都内で10日撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

日本の公的マネーの存在感が大きく下値は堅いが、短期筋などの利益確定売りで、大台手前での足踏みが続いている。企業決算発表などで市場の高い期待に応えられるのか、その点が今後の相場の焦点になりそうだ。

<瞬間風速的にユニクロ株が押し上げ>   

日経平均が2万円を付けたのは、日本時間4月10日午前9時08分から同10分までの約2分間。その後、達成感からの利益確定売りが出て軟化し、終値での大台乗せには至らなかった。今週に入っても、ここ4日間はこう着状態が強まり、2万円手前での足踏みが続いている。

瞬間風速的に大台に乗せたのは、ファーストリテイリング9983.Tが前日に2015年8月期業績見通しを上方修正し、株価が急騰したことが大きい。同社株が5万円大台に乗せたのと日経平均が2万円を付けたのは、同じ午前9時08分だった。その瞬間、日経平均を約64円程度押し上げており、同社株の上昇がなければ、2万円の大台には達していなかった(高値は2万0006円)計算になる。

ファーストリテ株が高値を付けたのは、同日午前10時36分。一時的にせよ、日経平均が心理的節目を突破したことで、短期筋の利益確定売りが強まり、その後は一度も2万円を回復していない。

市場では「日本のファンダメンタルズは好調だが、企業業績や景気の回復を期待の形でかなり織り込んでしまった。2万円は通過点だとしても、新しい材料が欲しいところだ」(外資系証券)との声が出ている。

<円高が海外勢の日本株売り誘う>

ドル/円JPY=EBSが119円前半とやや円高の水準にあることも、海外勢の利益確定売りを誘いやすくしている。「円高に振れていることでドル建て日経平均があまり下げていないため、海外短期勢にとっては利益確定売りを出しやすくなっている」(大手証券トレーダー)という。

ドルの上値を重くしているのは、米経済の減速懸念だ。年当初は寒波の影響が大きいとの楽観論が強かったが、寒波の反動増が出ると期待されていた3月小売売上高が弱かったことで、米景気の弱さは寒波の影響だけではないと不安が高まっている。米経済が減速すれば、日本の輸出にも陰りが出るため、円高とのダブルパンチになりかねないとの不安も、日本株の嫌気材料となっている。

欧州はユーロ安の効果でドイツを中心に景気が回復傾向を強めているものの、中国は株高の半面で景気は鈍化。日本経済は、今年こそ円安効果が表れるとの期待感が大きいものの、輸出の先行きには不透明感が強くなっている。原油価格は底打ち感を強めており、上昇すればするほど原油安のプラス効果は薄れる。

HSBC証券東京支店のグローバル・マーケッツ債券営業本部マクロ経済戦略部長、 城田修司氏は「日本は原油安や円安効果で、今年のファンダメンタルズは好調との見方に変わりはない。だが、期待感は相当程度、株価などに先行して織り込まれた。この高い期待感を超えるような材料が、今後出るかがポイントだろう」と話す。

<期待値高い国内決算発表>

市場の高い期待を満足させることができるかどうかは、来週以降、本格化する3月期企業決算発表がカギを握る。コンセンサス見通しは15%増益だが、期初段階では保守的に低めの見通しを発表してくるとの見方が多い。ポイントはどの程度低いかだ。

インベストラスト代表取締役の福永博之氏は、期初段階での予想が8─10%増益であれば、下期回復が期待できるとの楽観が市場に広がるとみる。しかし「5─6%増益であれば、本当に15%増益もできるのかと不安になるかもしれない」という。

一方、15年3月期の増益率が低過ぎれば、たとえ8─10%増益予想でも失望される可能性がある。「過去のウミを出して利益を低くしたのに、今期V字回復ができないとは何事だということになる」と福永氏は警告している。

1ドル120円を大きく超えるような円安が進みにくいとすると、16年3月期までは円安効果で2桁の増益を達成できたとしても、17年3月期は本当の「稼ぐ力」が試される。今回の決算発表では、単なる業績や見通しだけではなく、日本企業に真の実力が付いているのか、についても市場は吟味することになりそうだ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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