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焦点:有価証券報告書の虚偽記載、過去に16億円の課徴金勧告も

 5月15日、適切会計で揺れる東芝は、第三者委員会(委員長:上田廣一元東京高等検察庁検事長)の設置を発表した。すでに前期の決算発表が6月以降にずれ込む見通しを公表しているが、有価証券報告書を6月末までに提出できなければ、東芝株は東京証券取引所の監理銘柄となる可能性がある。4月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 15日 ロイター] - 不適切会計で揺れる東芝6502.Tは15日、第三者委員会(委員長:上田廣一元東京高等検察庁検事長)の設置を発表した。すでに前期の決算発表が6月以降にずれ込む見通しを公表しているが、有価証券報告書を6月末までに提出できなければ、東芝株は東京証券取引所の監理銘柄となる可能性がある。

一方、有価証券報告書の虚偽記載となれば、証券取引等監視委員会の対応が焦点になる。過去に有報の虚偽記載が判明し、監視委が金融庁に対し課徴金納付命令を出すよう勧告した事案をピックアップする。

開示規制違反で最高額の課徴金命令を勧告されたのはIHI7013.Tだ。2007年9月にエネルギー・プラント事業での多額の損失見込みが発覚、08年3月期の業績予想を引き下げるとともに過年度の決算数値も訂正の可能性があると発表した。10月には社外調査委員会を設置し、社内の調査委員会の調査を検証した。

同年12月には社内、社外の調査委員会が報告書を公表したが、有報の虚偽記載が上場基準に抵触するおそれがあるとして、東証上場のIHI株は監理銘柄に割り当てられた。翌2008年2月に監理銘柄の指定は解除されたものの、内部管理体制の不備を問題視されて特設注意市場銘柄に指定された。特設注意市場銘柄への指定はIHIが初。

IHIへの証券監視委の対応が出たのは2008年6月。監視委は15億9457万9999円の課徴金納付命令を出すよう、金融庁に勧告した。2006年9月中間期と2007年3月期に売上の過大計上や売上原価の過少計上などで虚偽の記載がなされた有価証券報告書を提出。さらにこの有価証券報告書をもとにした「有価証券届出書」で公募増資などを行ったことも金融商品取引法違反と判断された。

監視委の処分が第三者委員会の設置に先行したのが、旧日興コーディアルグループのケース。子会社の投資会社の決算で不正な利益計上をしていたことが問題化、2006年12月、虚偽記載がある有価証券報告書を参照書類として社債を発行したことが旧証券取引法違反と判断され、監視委は5億円の課徴金勧告を出した。東証は日興コーデ株を監理ポストに指定した。

日興コーデは、監視委の勧告を受けて日野正晴・初代金融庁長官をトップに特別調査委員会を設置。調査委は翌2007年1月に報告書を公表した。その後、東証は日興コーデの上場廃止を見送っている。

東芝はインフラ関連の工事原価総額の過少見積もりにより、2012年3月期から14年3月期にかけて営業損益ベースで500億円強の減額修正が必要になる見込みだと発表したが、全容解明はこれからの課題だ。第三者委が、今後どのような事実認定を行うのかが焦点になる。

和田崇彦 編集:布施太郎

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