for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

焦点:「調整」か「強気の終焉」か、お上の顔色うかがう中国株市場

[上海 29日 ロイター] - 28日の中国株式市場は、証券各社が相次いで信用取引ルールを強化したとの報道や、政府系投資会社・中央匯金投資が国有銀行株を売却したとの報道を受けて6.5%急落、昨年半ば以降140%急騰してきた市場に激震が走った。

 5月29日、前日の中国株式市場は、証券各社が相次いで信用取引ルールを強化したとの報道などを受けて急落、昨年半ば以降140%急騰してきた市場に激震が走った。江西省で2013年4月撮影(2015年 ロイター)

29日は前日終値を挟んで不安定な値動きが続いているが、市場関係者は、前日の急落について、当局が陰で糸を引く単なる「調整」なのか、景気や企業業績ではこれまで説明のつかなかった強気相場の「終わりの始まり」なのか、見極められないでいる。

ただ、個人投資家が、政府の発表や国営メディアの論評記事の裏を読んで取引するというのは、中国株式市場にお馴染みの光景だ。

あるベテランの個人投資家は「投機をするなら共産党の言うことを聞け」と語る。

中国株式市場は昨年12月、当局が信用取引を調査しているとのうわさで、1日に5.4%急落したが、その後、国営メディアが「調査は定期的なもの」と報じたことで、安値から戻した。

信用取引規制など、株価下落の背景には流動性の問題があるように見えるが、中国の家計貯蓄は54兆元(8兆7000億ドル)あり、株式市場が流動性不足に見舞われるとは考えにくい。

信用取引の残高は過去最高の2兆元に達しているが、これは時価総額のわずか5%だ。

市場が時折見舞われるのは、流動性不足ではなく、自信不足だ。市場関係者は、当局が次にどのような措置を打ち出すのか見極められないでいる。

上海・深セン証券取引所から誕生してから四半世紀が経つが、投資家は今なお当局が「資本主義のメカニズム」に疑念を抱いているのではないかとの見方を捨てきれていない。

機関投資家は財務諸表や経済指標を分析し、確実な情報に基づいて株式投資を行っているが、取引高の8割を担う個人投資家は、何よりも当局の意向を重視する。

国都証券のアナリストは「(個人投資家は)市場の存続と方向性が当局の意向に方針に大きく左右され、お上の意向に従うのが無難だと考えている」と述べた。

ただ、当局は市場のムードを一変させることはできるが、個人投資家の選ぶ銘柄ににらみを利かせることはほとんどできない。個人投資家は、たとえ赤字企業であっても、優良株ではなく、値動きの軽い小型株を選ぶ傾向が強い。

中国株式市場は昨年後半、中国人民銀行(中央銀行)の金融緩和でにわかに活気づいたが、強気相場が続いているのは優良株ではなく、小型株だ。

中国版ナスダックとも言える深セン証券取引所の新興企業向け市場「創業板(チャイネクスト)」の創業板指数.CHINEXTCは今年155%急騰。上昇率は、優良株で構成する滬深300指数.CSI300の3倍以上に達している。

創業板の平均株価予想収益率(予想PER)は100倍以上。滬深300指数の構成銘柄は19.44倍だ。

上海のあるヘッジファンドマネジャーは「投資家は政府の意向に従うが、何を買うかについては政府の言うことを聞かない。そうした実態を如実に示しているのが創業板だ」と述べた。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up