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5月米雇用28万人増、求職者増え失業率5.5%に

[ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した5月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は28万人増となり、昨年12月以来の高い伸びとなった。失業率は0.1ポイント上昇の5.5%で、約7年ぶりの低水準となった4月から悪化した。

 6月5日、5月の米雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は28万人増。写真はロサンゼルスの就職フェア会場で4日撮影(2015年 ロイター/David McNew)

雇用市場に対する前向きな見方が広がっていることを反映し、労働参加率が高まったことが背景にあるとみられる。賃金も上昇し、米連邦準備理事会(FRB)が9月に利上げに踏み切る可能性が再び強まってきた。

市場予想は就業者数が22万5000人増、失業率が5.4%だった。

5月は、昨年の就業者数の月間平均である26万人を上回った。3月と4月の就業者数は差し引きで3万2000人の上方修正となった。

1時間当たりの平均賃金は0.08ドル増えた。前年同月と比べて2.3%上昇し、2013年8月以来の大きな伸びを示した。週当たりの平均労働時間は前月から横ばいの34.5時間だった。

初めて就労する人向けの技能をあまり必要としない仕事が増えていることや、新規雇用の職種の幅が広がっていることを背景に、賃金は今後も伸びるとみられる。多くの州が最低賃金を引き上げており、いくつかの大企業は賃上げを発表している。

求職者を含む働き手の割合を示す労働参加率は0.1ポイント上がり62.9%と、4カ月ぶりの高水準となった。

正規雇用を望みつつもパートとして働く人を含めたより広範な失業率(U6)は前月から横ばいの10.8%だった。

職を得る見込みが低いとして求職を断念している人の数は2008年10月以来の低水準となったほか、労働年齢人口に占める雇用者数の割合は2009年6月以来の高水準となった。

27週間以上の長期失業者の割合は28.6%と、6年ぶりの水準に低下した。

ウニクレディト・リサーチの米経済チーフエコノミスト、ハーム・バンドホルツ氏は「これまで求職を断念していた人々が雇用拡大を受けて労働市場に復帰しており、また求職者数が過去最高の水準にあることで、彼らが職を得る見込みも高まっている」と分析する。

幅広い職種で就職者が増えた。製造業は7000人増と4月の1000人増から伸びが加速した。建設業は1万7000人増で、住宅市場の底堅さを反映している。一方、原油安などの影響で鉱業は1万8000人減と、5カ月連続でマイナスとなった。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、マーク・ラスチーニ氏は「この日の数字は、FRBが9月に利上げに踏み切る上で支援材料になる」と述べる。

第1・四半期の米国内総生産(GDP)は0.7%減とマイナス成長に落ち込んだ。ただ、一時的な要因が足かせとなったこともあり、数字があらわすほど経済は悪くない可能性がある。第2・四半期の初めは、ドル高やエネルギー部門の投資削減の影響が残り、経済活動は鈍いままだったが、この日の雇用統計や5月の自動車販売、製造業関連の統計は底堅く、経済にある程度勢いが出てきたことを示唆している。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのシニアエコノミスト、ミシェル・マイヤー氏は「今回の強い雇用統計は、経済のすう勢が引き続き改善していることを示している」とし、9月の利上げ開始を予想した。

*内容を追加して再送します。

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