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焦点:バーゼルが金利リスクを監督対応へ、それでも規制強化

[東京 8日 ロイター] - バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委)が議論を進めてきた銀行の金利リスクに対する新たな規制案は、資本の積み増しを求める新規制と従来通り各国による監督対応の両論併記となった。ただ、形式的には両論併記だが、将来的には監督対応で決着する可能性が高まったとみられている。

 6月8日、バーゼル銀行監督委員会が議論を進めてきた銀行の金利リスクに対する新たな規制案は、資本の積み増しを求める新規制と従来通り各国による監督対応の両論併記となった。国際決済銀、スイス・バーゼルで2013年撮影(2015年 ロイター/Arnd Wiegmann)

とは言え、監督対応の下でも、金利リスクの計算方法が厳格化されるなど、事実上、規制強化が図られそうだ。

バーゼル委では、新たに金利リスクへの新規制を導入する議論が進められてきた。背景には、世界的に低金利環境が続く中、将来の金利上昇リスクが高まっており、より厳格に金利リスクに対応する必要があるとの認識があった。

しかし、金利リスクに対応して自己資本を積み増す新規制を導入するよう求める英国やドイツと、自己資本の積み増しではなく各国金融当局による監督対応に任せるべきとする日本や米国との間で一本化することができず、市中協議案は両論併記になった。

日本の金融当局幹部は「将来的には、監督対応となる可能性が高く、邦銀に与える影響は限定的」と話す。

ただ、監督対応になったとしても、市中協議案には、従来よりも厳しい金利リスクへの対応策が盛り込まれた。

具体的には、現在、各銀行が内部モデルで計測してきた金利リスクの計算方式に関し、当局が用意した6つのシナリオで計算しなければならなくなり、銀行の自由度がより低くなる。

さらに、内部モデルではなく、標準的な計測手法を義務付けられ、その結果の開示を求められる可能性も盛り込まれた。

現在は、各銀行が独自計測しているため、横並びの比較ができないが、透明性の確保を図るのが狙いだ。

銀行が持つ金利リスクは、金利の上下によってどれだけ損失を被るかで計られる。長期の貸出金になるプロジェクトファイナンスや住宅ローンなどはリスクが高くなるほか、国債などの運用商品のリスクも含まれている。調達構造の違いによっても、リスクが上下する仕組みだ。

規制が厳しくなると、邦銀はこれまで注力してきた海外プロジェクトファイナンスなど長期の貸出金や、国債保有に関するリスクが従来よりも高く計測される可能性もある。

議論の動向次第では、邦銀は金利リスクに対するより厳格な対応を求められることになりそうだ。

布施太郎 編集:田巻一彦

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