[東京 18日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日の東京市場午後5時時点(114.40/41円)に比べてドル高/円安の114.80/82円で推移している。日銀の金融政策決定会合を通過して安心感が広がったことに加え、米金利の上昇が支えとなり、ドルは一時115.05円まで上昇した。ただ、その後は株安を受けて円買いが優勢となり、114円後半でもみあう展開となった。
日銀は17─18日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。
同時に発表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では、22年度の経済・物価見通しを上方修正したが、経済の先行き見通しのリスク要因として資源価格の上昇が悪影響を及ぼす可能性も指摘した。
市場では、物価見通しの上方修正は事前に織り込まれており、それに伴ってフォワードガイダンスに影響がみられるかが注目されていた。だが、実際にはタカ派的な文言はみられず、金融引き締めへの警戒感が剝落し、マーケットに安心感が広がったという。
バークレイズ証券のチーフ為替ストラテジスト・門田真一郎氏は「(決定会合前は)物価の動向に対する日銀の見方が変わり、それが金融政策への見通しにも影響するかが焦点だったが、そこまでには至らず円高圧力が後退した」と話す。
この後、午後3時半からの黒田東彦総裁の記者会見で特段の材料が出なければ、市場の関心は次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)に移っていくのではないかという。
日銀の金融緩和の継続が確認されたことで、目先は円安基調が続きやすいとの予想も聞かれた。三菱UFJ銀行のチーフアナリスト、内田稔氏は「黒田総裁の任期中は2%の物価目標を固持し、金融緩和の手綱を緩めることは考えにくい」と話す。
ただ、ドル指数は米金利上昇を受けても昨年12月下旬から低下基調となっており、ドル上昇の勢いには陰りもみられる。内田氏は目先のドル/円について「114円台を中心に、113―116円程度での推移が続くのではないか」と指摘し、急速にドル高が進む可能性は低いとの見方を示した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 114.80/82 1.1395/99 130.84/88
午前9時現在 114.56/58 1.1408/12 130.71/75
前日午後5時 114.40/41 1.1424/25 130.74/78
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