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焦点:FRB緩和終了への対応が鍵、年内に一波乱との警告も

[ロンドン 1日 ロイター] - ウクライナ情勢といった地政学リスクなどにさらされた2014年も残り少なくなる中、金融市場では年内にもう一波乱あるのではないかとの懸念が浮上している。

 10月1日、ウクライナ情勢といった地政学リスクなどにさらされた2014年も残り少なくなる中、金融市場では年内にもう一波乱あるのではないかとの懸念が浮上している。写真はワシントンのFRB本部。昨年7月撮影(2014年 ロイター/Jonathan Ernst)

第1の問題は、米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート拡大と欧州中央銀行(ECB)のバランスシート縮小という現在の金融環境について、完全な巻き戻しが世界の主要為替相場における劇的な変化とともに起きかねないということだ。

こうした傾向は既に第4・四半期に入って出てきている。ユーロ/ドルは約2年ぶり安値となり、ドル指数は4年ぶり高水準に上昇。原油といった商品相場や多くの新興国市場を圧迫しているほか、世界的にクロスボーダーの金融ボラティリティを高めている。

これらの動きは始まりに過ぎない。ゴールドマン・サックス、バークレイズ、モルガン・スタンレーは、たとえ中銀間でバトンがうまくつながったとしても、ユーロ/ドルはさらに20%下げ、平価まで下落する可能性があるとみている。

BNPの首席エクイティストラテジスト、ゲリー・ファウラー氏は、年内に重大な金融波乱が起きる可能性もあると警告。顧客に対し、「現在の市場は自己満足に満ちており、数カ月以内に流動性の詰まりでサプライズが起きてもおかしくない」と指摘した。

同氏は、FRBが量的緩和を月内に終了する一方で、ECBや日銀、果ては中国人民銀行(中央銀行)からの大規模な新規流動性は2015年まで実現しない可能性があると主張。「新規マネーの追い風は向こう数カ月、劇的に弱まりそうだ」とした。

こうした事情と相まって、今年は中国のインターネット大手アリババによる新規株式公開(IPO)など民間証券の供給が拡大したほか、ビール醸造世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)がSABミラーの買収をめぐり融資と債券で1220億ドルを手当てするかもしれないとの憶測など、既に歴史的高水準にある資産価格を見直す材料には事欠かない。

投資家は少なくとも、FRBが量的緩和から手を引いた際に、その他の中銀が素早く対応を取らなければ、ボラティリティが高まると懸念している。これに伴う混乱が、割高株やジャンク債、新興国市場、果ては国債をも含め、高リスク資産からの資金引き揚げを加速しかねない。

ユーロ安の恩恵を受ける欧州株のみが唯一、直撃を免れるかもしれないが、それでも米国の資金引き揚げの影響をかなり受ける可能性がある。

金融波乱が投資家にサプライズをもたらすとしても、それは投資家が警告を受けていなかったためではない。金融監視当局は過去1年間、過剰に拡大した市場について警告を発していた。

イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は先週、自身が議長を務める金融安定理事会(FSB)の結論に触れ、「金融市場では自己満足の兆候が増している。異例なほど緩和的な金融政策がとられる中、これは部分的に利回りの追求を反映している」と説明。「ボラティリティは圧縮され、資産バリュエーションが水増しされている市場は増えており、急激な逆回転を引き起こすリスクは増大している」と述べた。

(Mike Dolan 翻訳:川上健一 編集:佐々木美和)

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