[東京 8日 ロイター] - 菅義偉官房長官は8日午前の会見で、最近の円安に関する黒田東彦日銀総裁の発言と自身の発言に「温度差はまったくない」と語った。
黒田日銀総裁は7日の会見でこのところの円安について、「自然な変動だ」とし、「ファンダメンタルズにそくした変動はむしろプラス」などと述べた。菅官房長官は1日に行われた経済財政諮問会議で、円安になっても輸出が増えてこない、などと発言していた。
菅官房長官は自身の発言について「円安になればJカーブ効果が働いて輸出が増えるという経験則があったが、そこにはいたってないと話した。円安の水準が良い悪いではなく、政府は3本の矢を進め、企業は好調な収益を設備投資、賃上げ、雇用改善に投入して欲しい」と述べた。
さらに、「経営者は円安を含めて、世界の景気動向をまだ見極めている段階だ」とし、「内部留保は増えている。設備投資も増え始めている。一定の見通しが立てば日本で(生産などを)やったほうがいいとか、そうしたことはあり得る」と語った。
石田仁志
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