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原発再稼働の地元同意範囲、「国の責任で設定を」=いちき串木野市長

 10月10日、九州電力川内原発が立地する薩摩川内市に隣接するいちき串木野市の田畑誠一市長は、同原発再稼働に必要な地元同意の範囲について「国の責任で定めるべき」と述べた。写真は川内原発、4月撮影(2014年 ロイター/Mari Saito)

[いちき串木野市(鹿児島県) 10日 ロイター] - 九州電力9508.T川内原発が立地する薩摩川内市に隣接するいちき串木野市の田畑誠一市長(74)は10日、ロイターのインタビューに応じ、同原発の再稼働に必要となる地元同意の範囲について「国の責任で同意の範囲を定めるべき」と述べた。

原発に隣接しながら、再稼働に関する発言権が与えられていないことについて田畑氏は「事故が起きたときのリスクを負っていることは(立地自治体と)変わらない。(経済的な)恩恵はなく、いまの制度は全く理不尽だ」と強調した。

再稼働の是非について田畑市長は、13日に予定されていた、川内原発の新規制基準審査結果の住民説明会(インタビュー後に台風の影響で20日に延期決定)の様子や、市議会による再稼働問題に対する意向を見極めてから判断するという。「市議会は12月の定例議会の前に臨時議会を開くと思う。それを受けて(市長としての)最終的な判断をする」と述べた。

いちき串木野市議会は9月30日、再稼働の条件となる「地元同意」に、同市を加えることを求める、伊藤祐一郎知事あての意見書を採択した。伊藤知事はかねて、再稼働の地元同意の範囲について、知事と鹿児島県議会、薩摩川内市長と同市議会の4者を挙げている。政府も、地元同意の対象を広げると、再稼働のハードルを引き上げる前例になるだけに、対象拡大は避けたいのが本音だ。

田畑市長は「国は、原子力災害対策特別措置法に基づき、30キロ圏内の自治体に避難計画策定を義務づけた。肝心の同意の範囲は全く決めていない。地方には(どこまでを同意の対象にするのか)いろいろな意見があるので、国の責任で同意の範囲をきっちり示すべき」と述べた。

政府方針に基づき、いちき串木野市でも避難計画を策定済みだが、同市長は「作ったものではもちろん十分でない。さらに、充実していかないといけない」と述べた。東シナ海に面した同市の地形的な特徴を踏まえ、「陸海空による避難手段も考えないといけない。10キロ圏では学校などにシェルターを作るべきだ。整備には財源が必要なので、国に財政的な支援をしてもらいたい」などと話した。

同市は、原発からもっとも近い地点の距離は5.4キロ。最大級の警戒対策を義務づけられる「予防的防護措置準備区域(PAZ)」のほぼ境目だ。一方、交付金による「原発マネー」の額は、薩摩川内市とは「雲泥の差がある」と同市長は指摘した。

ロイターが今年4月、薩摩川内市役所を取材したところ、1974年以降、同市は国から250億円以上の交付金を受け取った。いちき串木野市の場合、「(誘致の)当初のころからでいえば、(累計交付金は)何十億円はあるが、現段階ではほとんど受けていない」(同)という。

核燃料が原発施設内にあり、原子炉の稼働、停止にかかわらず日常的に立地自治体と同様のリスクに直面する一方で、経済的メリットで隣接市と大きな格差があることについて、田畑氏は「理不尽だと思う。大いに不満。支援策は立地自治体がまったく中心で、ほかの(近隣)自治体に恩恵はない。国はぜひ改めてほしい」と語った。

インタビュアー 浜田健太郎 取材協力:斉藤真理

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