[東京 13日 ロイター] - 内閣府が13日に発表した9月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比2.9%増の8316億円となった。4カ月連続の増加となり、設備投資の底堅さを物語る内容となった。先行き見通しは微減ながら7─9月の出来栄えがよかったことから、上振れ期待もある。
9月の機械受注は、ロイターの事前予測1.9%減を覆し、増加となったうえ、 前年比でも7.3%増と水準も切り上がった。大型案件は民需(除く船舶・電力)で電機や石油製品などから3件あったが、それ以外に外需や官公需なども含め合計9件と比較的多かった。
製造業は前月比12.0%増と前月の2桁減からの反動もあり大幅な増加。非製造業は同1.7%増と、2カ月連続の増加。外需は前月の30%近い伸びの反動で同9.4%減だった。
7─9月機械受注は前期比5.6%増で、2期ぶりの増加となった。製造業は12.6%増と大幅増加となり、4─6月の落ち込みから脱した。化学や一般機械、石油器製品等からの受注が寄与した。ただ自動車、非鉄金属などは2四半期連続の減少で振るわなかった。
一方、非製造業は3四半期連続で減少で1.2%減。金融業・保険業や運輸・郵便業、情報サービス業などが減少。
10─12月の機械受注見通しは前期比0.3%減とほぼ横ばいが見込まれている。ただ見7─9月に見通しを上回る勢いになったことを考慮すると、上振れる可能性もありそうだ。
内閣府は、機械受注の判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。
10─12月の見通しを達成するには、毎月の前月比が1.8%減以上であれば可能となる。農林中金総合研究所・主席研究員の南武志氏は「2四半期連続での前期比プラスのためのハードルは高くない」とみている。そのうえで「4月の消費税増税直後は、設備投資の改善に向けた動きは一歩後退した感があったが、その後は緩やかだが着実に持ち直しており、生産、輸出、消費などに比べれば、設備投資の底堅さは明白だ」と指摘する。
SMBC日興証券株式調査部・チーフエコノミストの牧野潤一氏も「足元の設備投資は調整局面にあるが、そのトレンドは右肩上がりとみる。設備投資の基調はしっかりしており、機械受注が示す通り、年明け以降は比較的強い回復を期待できる」との見方を示した。
*内容を追加しました。
中川泉 編集:野村宏之; ※(izumi.nakagawa@thomsonreuters.com; 03‐6441‐1834; ロイターメッセージング:izumi.nakagawa.thomsonreuters.com@reuters.net)
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