[21日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は21日、予想外の利下げを発表した。主要政策金利の引き下げは約2年ぶり。借り入れコストを押し下げ、減速する経済を支援する。
市場関係者のコメントは以下の通り。
<ソシエテ・ジェネラル(ロンドン)の為替ストラテジスト、アルビン・タン氏>
中国の景気刺激は商品輸入拡大につながるとの見方から、豪ドルとニュージーランドドルが反射的に上昇している。
米FRB以外の主要中銀が緩和政策を進める中、ドルにとっても、世界的なリスクの面でもポジティブ材料だ。
<IGの首席市場アナリスト、アレクサンダー・バラデス氏>
中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が活動縮小を示す危険水域に近づいており、適切なタイミングだった。
中国人民銀行は米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日銀などと同じ道をたどっている。中銀が市場を動かしている。
<ADMインベスター・サービシズ・インターナショナルのストラテジスト、マーク・オストワルト氏>
利下げのタイミングからすると、人民元の対円での急上昇が、中国経済が苦境に陥っているという現状と同じぐらい大きな理由だとみられる。また、中国の消費者物価と生産者物価が抑制されているという状況もある。
韓国や東南アジアの国々による行動も見込まれ、インド準備銀行(中銀)の利下げも可能性が高い。
1997─1998年にも同様の状況があったが、大きな違いといえば、当時はアジアや新興国の中銀の外貨準備は非常に限られていた。当時は世界の外貨準備の総額が2兆ドル未満だったが、現在は13兆ドルを上回っており、その大部分がアジアにある。
ただ、このような通貨戦争は何の役にも立たない。
<サクソバンクのトレーダー、アンドレア・トゥエニ氏>
驚きだった。中国人民銀行はこれまで、信用バブルをめぐる懸念から、金利を通じ景気浮揚させることに消極的だった。そのため、今回の動きは、人民銀行が景気見通しへの懸念を深めていることを示している。
また、最近の成長鈍化傾向を断固として転換させようとしている明確なシグナルとなった。
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