[ニューヨーク 21日 ロイター] - 21日のニューヨーク外為市場ではユーロが急落、ドルや円に対し1%を超える値下がりとなった。インフレ期待が非常に低い水準に低下している、とのドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁発言を受け、ECBが早期の追加緩和に踏み切るとの期待が強まった。
ユーロ/ドルEUR=は1.19%安の1.2389ドル。ユーロ/円EURJPY=は1.58%安の145.89円。
ノルデアのFXストラテジスト、ニルス・クリステンセン氏は「ドラギ総裁がインフレ期待への懸念を示したということは、ECBによる緩和がまもなくあり得るということを意味している。国債買いがないとしても、社債買いは発表されるのではないか」と語り、来週公表される域内のインフレ統計が重要になるとの見方を示した。
円は対ドルで上昇し、1ドル=117.72円付近で推移した。麻生太郎財務相は21日、閣議後の会見で、最近の円安進行について「この1週間の円の下がり方は、テンポが速すぎる」と市場動向をけん制し、為替の急激な変動は歓迎できないと語った。
こうしたなか、中国人民銀行(中銀)が景気のてこ入れに向け、約2年ぶりに利下げに踏み切ったことを受け、豪ドルなど高利回り通貨が買われた。豪ドルAUD=D4は0.59%高の0.8669米ドル。
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