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コラム

コラム:ギリシャの「ノー」で決断迫られるユーロ圏

[ロンドン 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ギリシャ国民が債権団によって示された財政再建策に「ノー」を突きつけたことは、ユーロ圏首脳が極めて重い決断を迫られることを意味している。

 7月5日、ギリシャ国民が債権団によって示された財政再建策に「ノー」を突きつけたことは、ユーロ圏首脳が極めて重い決断を迫られることを意味する。写真は独フランクフルトで3日撮影(2015年 ロイター/Ralph Orlowski)

5日のギリシャ国民投票では、50%強の開票を終えた段階で財政再建策反対の割合が61%に達した。これは事実上、ユーロ圏にとどまることの拒否である以上、欧州側は2つの重大な決定をする必要がある。

第1には、欧州中央銀行(ECB)がギリシャの銀行セクターに対する緊急流動性供給(ELA)を継続するかどうかを決めなければならない。ギリシャがこうした支援措置の交換条件である厳しい改革を受け入れなかった以上、支援を続けるのは政治的に非常に難しい。ただ即座にELAを停止すれば、ギリシャの4大銀行は恐らく6日中にも破綻してしまう。

第2の問題は、ユーロ圏首脳に関わる。投票で反対するよう呼びかけていたギリシャのチプラス首相は、債権団に新たな交渉開始を求めてくるだろう。

もしもチプラス氏が債務減免と引き換えにそれなりに意味のある年金や税制の改革を提示してくれば、欧州各国は検討しなければならなくなる。新たな救済を獲得できないと、ギリシャは間もなく公務員給与や年金を支払う資金が枯渇する。そうなれば決済と銀行システム維持のために代替通貨の発行を余儀なくされ、ユーロ圏から出ていかざるを得なくなる可能性が出てくる。

ユーロ圏当局は理論上は、この緊迫した状況を鎮静化する手段を有している。例えばギリシャのELA向け担保の割引率引き上げを、同国の銀行が破綻しない程度にまで抑えることができる。もっとも、特にECBが今やこれらの銀行の監督機関で、抱える問題を知り尽くしているはずだという点からすれば、実際にそうした措置を講じるのは困難になるだろう。

ギリシャと債権団が合意に達するまでには数多くの難関がそびえていることを踏まえ、金融市場は最悪の事態を懸念する公算が大きい。

ギリシャの国内総生産(GDP)はユーロ圏全体のわずか2%と経済規模は小さい。とはいえ、ECBは量的緩和(QE)を拡大するとともに、ユーロ圏諸国との間でのリスク分担などを含む新たな債務協定を発表することが必要になる。

こうした対応は短期的には市場に安心感を与えるかもしれない。しかしギリシャの銀行と、ますます脆弱化するユーロ圏を立て直すにはもっと多くの取り組みが不可欠になるだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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