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コラム

コラム:中国人民銀、予想外のGDPでも困難に直面

[シンガポール 15日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の第2・四半期の経済成長率は予想外に強い内容だったが、中国人民銀行(中央銀行)が困難な状況に直面していることに変わりはない。

第2・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は前年同期比7%と、第1・四半期から横ばいで、予想を上回った。統計局は成長は落ち着いたと宣言、「上向く用意ができている」との認識を示した。

ただ、それは楽観的に過ぎるというものだ。警戒すべきは不動産投資であり、1─6月の中国の不動産投資は2009年以来の低い伸びとなった。もう1つの懸念要因は消費者と企業の弱さ。人民銀行は昨年11月以降、4度の利下げを行ったが、マネーサプライは鈍化している。

ディスインフレ基調は既に定着している。GDPの名目伸び率7.1%から実質伸び率の7%を引くと、物価上昇率(デフレーター)はわずか0.1%となる。この水準では、依然として巨額の債務を抱える中国の企業はとても事業拡大へと踏み出す気にはなれないだろう。

こうした重い債務返済負担は金融の安定性を脅かす可能性がある。ただし、株式市場がこのところ回復していることで、突如として崩壊する恐れは小さくなった。それでも人民銀行は、本格的なデフレ突入を避けるためにも、金融政策を一段と緩和する必要があるのかもしれない。

中国の労働人口は減少し始めている。債務、デフレ、人口構造の悪化は危険な組み合わせだ。金融政策は高齢化を食い止めることはできないが、インフレ率が上昇すれば、少なくとも実質的な債務負担を減らすことができる。逆に借り手が資産売却を迫られれば、1990年代の日本のように成長率は制御不能なペースで鈍化しかねない。

利下げには、それなりのリスクがあることは確かだ。人民元相場が下落して、資本が海外に流出しかねない。しかし、このたびのGDP統計で気が緩んだとしても、何もしないことはオプションにはならない。

●背景となるニュース

◎中国国家統計局が15日に発表した第2・四半期のGDP伸び率は、前年同期比で7.0%となった。第1・四半期から横ばいだったが、アナリスト予想の6.9%は小幅ながら上回った。

◎統計局は声明で「第2・四半期の主要指標は、成長が安定化し、上向く用意ができていることを示すもの」との見方を示した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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