[ミラノ 14日 ロイター] イタリア政府が14日実施した5年債入札は、利回りがユーロ導入以降の最高水準を更新した。欧州連合(EU)首脳会議の後も債務危機への懸念が払しょくされないなか、モンティ政権への対応圧力が一段と高まっている。
今回入札の利回りは6.47%。1カ月前に実施した入札の平均利回り6.29%からさらに上昇した。発行額は30億ユーロで、目標レンジである20億―30億ユーロの上限となった。
ニューエッジ・ストラテジーの市場エコノミスト、アナリサ・ピアッザ氏は「債務危機をめぐる先行き不透明感が依然強く、けさの市場は質への逃避買いに主導されている」と話した。
イタリアは、市場で圧力が高まっていることから入札規模を縮小しているが、来年約4400億ユーロの資金調達を達成するには、今後数カ月間に発行額を増やしていく必要がある。
ウエストLBのマイケル・レイスター氏は「利回りは第1・四半期の重要な要因になるだろう。同四半期にイタリアは625億ユーロを発行する必要がある。ただ、今のところ市場は入札が消化されていることに満足している」と話した。
同国は、2月1日に約260億ユーロ、4月末までに910億ユーロの国債がそれぞれ償還を迎える。
シティのアナリストはノートで「欧州中央銀行(ECB)の流通市場での国債買い入れが(同国入札を)支援するだろうが、危機が悪化すれば、同国が来年、どのように市場へのアクセスを自力で維持するかは難しいところだ。ある段階で、国際通貨基金(IMF)の支援が必要になる可能性がある」との見方を示した。
一方、ドイツ政府(訂正)は、この日実施した2年債入札で、41億8000万ユーロを発行した。平均利回りは0.29%と、11月11日に実施した前回入札の0.39%から低下した。慎重になっている投資家がリターンよりも安全性を重視し、超低金利を受け入れている様子が浮き彫りになった。
応札倍率も1.4倍に上昇。前回の入札は1.1倍だった。ドイツ政府は「クーポンが過去最低水準(0.25%)だったことを考えれば、極めて強い需要があった」との認識を示した。
*8段落目の「ドイツ連銀」を「ドイツ政府」に訂正します。
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