[東京 16日 ロイター] コマツ6301.Tの野路國夫社長は16日、ロイターとのインタビューで、中国の建設機械需要がどのように変動しても対応できる体制を構築したと述べた。コマツの中国建機販売台数は、政府の金融引き締めの影響で10月以降は前年同月比6割減の水準が続いている。
野路社長は、将来の建機需要などをいくら予測したところで意味はなく、重要なのはどのような環境変化にも対応できる体制を作っておくことだと述べた。その上で、中国ではこれまで生産能力を増強してきたため、需要の予測に振り回されない体制になったと強調した。
主なやりとりは以下の通り。
──中国は金融引き締めの影響で建設機械の需要が落ち込んでいるが、回復のタイミングは。
「分からない。これだけ変化が激しい時に先の予測をしても意味がない。先日行われた中国の中央経済工作会議では「金融緩和は従来通りだ」とし、これまでも金融緩和をしてきたと主張しているが、実際は厳しい金融引き締めを行っている。あいまいな表現であり、読み切れない」
──現在の中国の建設機械の在庫水準は。
「中国では春節(中国の旧正月)明けの2月から5月の間に年間の4割近くが売れる。今までは1月ごろまで在庫をため込まなければならなかったが、生産能力を増強したことで、過度に在庫を持つ必要はなくなった。去年の3月のように5000台以上売れたとしても、現在の在庫は2000台くらいあり、中国の1カ月あたりの生産能力も4000台程度まで引き上げた。去年から増えることは考えられないし、十分な余力がある。生産能力がない会社は、春節明けの需要を予測しなければならない。我々も去年まではそうだった」
──今期の連結営業利益は前年比26.5%増の2820億円だが、達成できそうか。
「来年1─3月の中国市場次第だ」
(ロイターニュース 杉山健太郎;編集 宮崎亜巳)
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