[ミラノ 10日 ロイター] 格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は10日、同社が格付けを付与しているイタリアの銀行37行のうち、ウニクレディトCRDI.MIやインテサ・サンパオロISP.MIを含む34行の格付けを引き下げた。債務の借り換え能力の低下や低い収益性見通しを理由としている。
今回の銀行格下げは、先月、同国ソブリン格付けを2段階引き下げ「BBBプラス」としたことに続く措置。
ウニクレディトとインテサ・サンパオロの格付けは、共に「A」から「BBBプラス」に引き下げられた。
モンテ・デイ・バスキ・シエナ銀行BMPS.MI、バンコ・ポポラーレBAPO.MIは、ソブリン格付けを下回る水準に格下げされた。
S&Pは声明で、イタリアの銀行業界カントリーリスク評価(BICRA)を従来の「グループ3」から「グループ4」に引き下げたと発表した。
「高水準の対外債務で、イタリアは外部の資金調達リスクの影響を受けやすくなり、その結果として、同国銀行の債務借り換え能力は大幅に低下した」と指摘した。
「向こう数年は銀行の収益性は低い状態が続くと予想している。中核金融商品へのリスク調整後のリターンは、資本コストを満たすには十分でない可能性がある」とし、同国銀行業界の安定にマイナスの影響を及ぼす恐れがあるとした。
収益性の低さと資本コストの上昇によって、銀行は過去10年間の一連の業界再編に絡むのれん代の大部分について、評価損の計上を迫られる可能性があるとした。
ウニクレディトはこの種の評価損が響き、2011年第3・四半期に106億ユーロの損失を計上している。
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