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ECB総裁「成長と財政規律の両立を」、追加措置は示唆せず

[バルセロナ(スペイン) 3日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は3日、主要政策金利であるリファイナンス金利を1%に据え置くことを決定した。理事会後の記者会見でドラギ総裁は、ユーロ圏には財政規律と両立する成長戦略が必要との認識を示したが、ECBとして追加措置を講じる考えは示唆しなかった。

5月3日、ECBは主要政策金利を1.00%に据え置くことを決定。理事会会合後の記者会見でドラギ総裁は、ユーロ圏の政策は成長に焦点を当てる必要があるとしながらも、こうした政策は緊縮財政策と協調するものでなくてはならないと指摘。写真はバルセロナで会見するドラギ総裁(2012年 ロイター/Gustau Nacarino)

ECBは下限金利の中銀預金金利も0.25%に、上限金利の限界貸出金利も1.75%に、それぞれ据え置いた。

今回の理事会は、ユーロ圏債務危機で大きな打撃受けているスペインのバルセロナで開催。ECBが後押しする緊縮財政策への抗議行動が予想されたことで、会合が開かれたホテルの周りには厳重な警備が敷かれた。

ドラギ総裁は記者会見で、ECBの政策は「緩和的だ」と述べ、この日の会合で金利変更について討議しなかったことを明らかにした。ユーロ圏経済は年内を通じて改善する見通しだが、先行きは不透明で、「経済見通しには引き続き下方リスクがある」と指摘した。

ユーロ圏のインフレ率については、2012年は2%を上回って推移するとみられているものの、先行き不透明感により物価上昇は当面抑制されるとの見通しを示した。

総裁は、前週示した「成長協定」構想の概要にも言及し、各国政府に構造改革への取り組みを求めたが、具体的な内容には触れず、ECBではなくユーロ圏諸国が行動する必要があるとの考えを示した。

成長協定の追求と、欧州の財政規律強化に向けて合意済みの財政協定との間に「矛盾は絶対にない」と強調。「財政緊縮化に向け今後も努力し続けることと矛盾せずに、成長を中心議題に戻す必要がある」とし、「改革実行に関する欧州共通の規律が必要だ」と述べた。

短期的な景気刺激策は支持しない立場かとの質問に対しては「そのようだ。それが正しい」と答えた。

ユーロ圏の有権者や投資家の間で緊縮財政への不満が高まる中、ドラギ総裁は、失業率の上昇に対する若者の怒りに理解を示す一方、この問題には各国政府が労働改革によって対処する必要があると指摘。ECBの主な責務は物価安定の実現であり、政策立案者としてECBにできるのは、正しいと確信している政策を実行あるいは提案することだと述べた。

景気認識については「世界経済の回復が進んでいる兆候」が見られ、「ユーロ圏経済が年内を通じて徐々に回復していくと(ECBは)引き続き予想している」と発言。市場の予想より強気の見方を示したことで、ECBが利下げまたは債券買い入れ再開という形で追加緩和に踏み切るとの観測が後退し、外為市場ではユーロが対ドルで上昇した。

INGのエコノミスト、カーステン・ブルゼスキ氏は「ECBはしばらくの間金利を据え置く公算が大きい」との見方を示し、「きょうの総裁会見で、ECBには現在の危機を解決できないという苦しい現実があらためて示された。(ユーロ圏)経済にとって、痛みを早急に取り除く、あるいは緩和する薬はないようだ」と述べた。

ユーロ圏債務危機の拡大阻止に向けて導入した非標準的措置の解除についてドラギ総裁は、出口の模索は時期尚早という見解の一致がECB内にあるとし、債券買い入れプログラムは「依然存在する」と述べた。

ECBはここ数カ月間に総額1兆ユーロを超える資金を金融システムに供給し、ユーロ加盟国の資金調達状況の改善に貢献してきた。ただ、この日に実施されたスペイン国債入札は堅調な需要を集めたものの、落札利回りは大幅に上昇した。

ドラギ総裁はスペインとイタリアによる改革の取り組みを評価した上で、緊縮財政がいずれ借り入れコストの低下に寄与すると指摘。「財政是正は短期的成長を圧迫している一方、財政の持続可能性、ひいてはリスクプレミアムの低下に寄与する」との見方を示した。

*内容を追加して再送します。

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