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中国が金融危機後初の利下げ、景気てこ入れ強化の姿勢鮮明

[北京 7日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)は7日、減速傾向が出ている景気の押し上げを狙い、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げた。また同時に商業銀行への金利規制を緩めて金利自由化に向け前進し、市場を驚かせた。

6月7日、中国人民銀行(中央銀行)は、予想外に政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げた。写真は北京の人民銀前で2011年11月撮影(2012年 ロイター/Soo Hoo Zheyang)

中国による予想外の動きは、ユーロ圏債務危機が世界経済の成長を脅かしているとの懸念を各国の政策担当者が強めていることを浮き彫りにしている。

利下げを受け、世界の株価は過去1週間余りでの高値に上昇。ユーロは他の中央銀行も景気支援措置を打ち出すとの期待から上昇した。

1年物の貸出金利は25bp引き下げられ6.31%に、1年物の預金金利は25bp引き下げられ3.25%となる。実施は8日。

年内は利下げを見送るとの見方が大勢だったが、人民銀は予想に反し、2008─09年の金融危機以降初めて利下げに踏み切った。

キャピタル・エコノミックスのエコノミスト、Qinwei Wang氏は「とりわけ需要の弱さなどを受け、政府が景気てこ入れを望んでいる極めて強いシグナルであることは明らかだ」と指摘した。

欧州連合(EU)は中国の主要貿易相手で、欧州での需要減退により中国国内の工業活動が大幅に減速すれば、内需にも悪影響が及ぶとの懸念が高まっている。

中国人民銀行の研究機関のトップ、Jin Zhongia氏は、カリフォルニアでの会合で「欧米、特に欧州の状況が深く懸念される。欧州経済がリセッション入りすれば中国の輸出に影響する。輸出の減少はすでにあらわれている」と述べた。

国内経済の刺激策では大幅な改善は見込めず、欧州がリセッション入りすれば中国の成長鈍化は避けられないという。

2008年暮れに世界貿易が大きな打撃を受けた際には、中国では数カ月の間に推定2000万人が職を失い、政府が4兆元(6350億ドル)の大型景気刺激策を実施する引き金となった。

借り入れコストの引き下げは目先、1999年以来の低成長が今年見込まれている中国経済を支援する見通しだが、長期的に最も大きな影響を持つのは金利自由化に向けた措置とみられている。

人民銀は、商業銀行が設定する預金金利の上限を基準金利の110%、新規融資に対する貸出金利の下限を基準金利の80%とすると発表した。実施は8日から。

貸出金利の下限は90%だったが、さらに10%ポイントの柔軟性を持たせた。前回の貸出金利の変更は2011年7月で、1年物は25bp引き上げられ6.56%となっていた。

また商業銀行はこれまで、中銀が定める基準金利を上回る水準に預金金利を設定することを禁じられていた。

キャピタル・エコノミックスのWang氏は「重要な措置」とし、「金利自由化に向けた第一歩で、家計へのリターンが増える。貸出金利の下限引き下げは、銀行間に一段の競争をもたらす。一部の銀行は以前のように利益を確保するのが難しくなるだろう」と述べた。

利下げの発表はアジア金融市場の引け後に行われた。これを受け世界的に株価が押し上げられ、MSCIの世界の株価指数.MIWD00000PUSは過去1週間あまりでの高値に上昇。ユーロは5月末以来の高値となる1.2625ドルをつけた。

<利下げは痛し痒し>

中国は9日に5月の消費者物価指数(CPI)や鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資など一連の経済指標発表を控えている。そのため利下げは、指標がさえない内容になるとの前兆ではないかとの見方も出ている。

ロイズ銀行の通貨ストラテジスト、エイドリアン・シュミット氏は「鉱工業生産やCPIデータはの発表を控え、(利下げは)弱い内容になると当局が知っていることの表れではないかと懸念している」と述べた。

中国の成長率は第2・四半期に3年ぶりの低い伸びにとどまる見通しだが、5月の経済指標は、予想外に弱い内容となった4月から経済安定化の兆しを示す内容になるというのが市場の大勢の見方だ。

4月の指標を受けて、人民銀は即座に預金準備率の引き下げて緩和に動き、温家宝首相は「成長維持を一段と優先する」よう指示した。

人民銀は、インフレ抑制や景気の過熱防止に向けた2年に及ぶ引き締めの後、昨年11月以降は、最大手行の預金準備率を過去最高の21.5%から3度にわたり150bp引き下げている。

中国政府は預金準備率の引き下げにより、2008年のような大型景気浮揚策を打ち出すことなく、推定1兆2000億元(1900億ドル)の資金を新規融資に振り向けることができたとみられている。

<追加利下げの余地>

アナリストの間では、中国が年内の利下げは見送りつつ、今年下期に預金準備率をさらに100bp引き下げるとの見方が大勢だった。そのため今回の予想外の利下げは、中国が一段と積極的な緩和措置を行う上で、インフレを阻害要因とは見ていないことを示唆している可能性がある。

中国は年末にかけて極めて重要な局面に差し掛かる。指導部交代を控え、安定的な成長を確実にしたいと考えているためだ。だが過去にインフレ加速が政治的緊張を高めたことから、社会不安を招きかねない物価上昇につながる措置には慎重だ。

一方で、金利自由化に向けた動きは、新指導部の陣容が固まりつつある中で、改革機運が優勢であることを示している。

*内容を追加して再送します。

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