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FRB議長は早期の緩和示唆せず、情勢悪化なら「景気支援の用意」

[ワシントン 7日 ロイター] バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は7日、上下両院合同経済委員会で証言を行い、金融情勢が悪化した場合、FRBは景気を支える用意があると表明した。ただ、追加緩和を近く実施する可能性については、手がかりはほとんど示さなかった。

6月7日、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は議会証言で、金融情勢が悪化した場合、FRBは景気を支える用意があると表明する一方、追加緩和を近く実施する可能性については手掛かりはほとんど与えなかった。ワシントンで同日撮影(2012年 ロイター/Jason Reed)

バーナンキ議長は、FRBは欧州の債務危機が米景気回復にもたらす「深刻なリスク」を注意深く監視していると発言。「金融のひっ迫がエスカレートした場合は必要に応じて米経済を守るための措置をとる用意をFRBは引き続き整えている」と述べたものの、前日の講演で、欧州問題の米経済への打撃を回避するために一段の緩和策が必要になることを示唆したイエレンFRB副議長とは、一線を画した。

この日の議長証言は、FRBによる国債買い入れプログラム第3弾が実施されるのか手がかりを得るために注目していた市場関係者にとっては肩透かしとなった。

ウェルズ・ファーゴのシニア外為ストラテジスト、ワシーリ・セレブリアコフ氏は、この日の議長証言について「(追加緩和の有無に関する)議論を収束させるものではなかった」とし、「追加緩和が実施されるとの一段と具体的な示唆があるとの期待が出ていたが、今回の証言ではそれは得られなかった」と述べた。

労働省が1日に発表した5月の雇用統計では非農業部門雇用者数が6万9000人増と、予想の15万人増を大幅に下回るなど、米国の雇用創出ペースの鈍化が顕著になっている。ユーロ圏債務危機が深刻化していることもあり、市場では、FRBが早ければ19─20日に開催される次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で何らかの措置を決定するとの観測が高まっている。

ただ、バーナンキ議長のこの日の証言の基調は危機感を感じさせるものではなく、景気見通しについて「経済成長は、向こう数四半期は緩やかなペースが継続するとみられる」とし、「欧州経済が困難な局面にあるにもかかわらず、米国の輸出に対する需要は底堅さを保っている」と述べるなど、やや楽観的な見方を示した。

イエレン副議長は前日の講演で、景気が悪化する前に何らかの手を打つ必要があるとの考えを示したが、バーナンキ議長はこうした示唆は行わなかった。

ただ、同議長は欧州問題に対する懸念に加え、大型減税の打ち切りと財政支出の削減が来年初めに同時に実施される「財政の崖」についても、「実施された場合、回復に対する大きな脅威となる」と述べ、懸念を表明した。

労働市場の状況については、昨年の終わりごろから今年初めに確認された雇用の強い伸びは、リセッション(景気後退)のさなかとその後に実施された大幅な人員削減の反動が一因である可能性があるとの見方を示し、そうであれば、ここ数カ月に見られる雇用の伸びの鈍化はこの反動局面がほぼ完了しつつあることを示している可能性があると発言。「このため、労働市場の著しい一段の改善には、経済活動のさらなる加速が求められる」と述べた。

また、今月のFOMC会合で緩和策が決定されるかとの質問に対しては、われわれが直面する主要な疑問は、労働市場における継続的な進展を維持するために十分な経済成長が得られるかということになると述べるにとどめ、FOMC会合の結果を事前に推し量ることはしたくないと述べた。

追加刺激の必要性の有無に関しては、今週に入り数人の地区連銀総裁がさまざまな立場を表明していることから、次回のFOMC会合では白熱した議論が予想されている。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのシニアエコノミスト、マイケル・ハンソン氏は「数名のFRB高官がこのところ追加緩和に対する支持を表明していたが、バーナンキ議長は全般的にFRBが様子見姿勢を継続していることを示唆した」と述べた。

次回のFOMC会合は約2週間後に迫っていることから、アナリストの間では、カギとなるのは経済指標ではなく、むしろ欧州情勢となるとの見方が出ている。

スペインの銀行の健全性、およびギリシャが17日の再選挙を受けユーロ圏を離脱するのではないかとの懸念により世界手金金融市場は不安定になっており、米景気回復に対するリスクも増大している。

バーナンキ議長の証言内容が伝わると、前日に急伸した米株価は上げ幅を縮小したものの、プラス圏は維持。ドルは対ユーロで上昇した。

*内容を追加して再送します。

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