[アテネ 21日 ロイター] ギリシャの新政権を担う連立与党3党は21日、支援条件となっている財政緊縮目標の達成期限を2016年まで2年延長するよう求める方針で合意した。
3党が合意した政策文書は、「危機に対処し、成長への道を開き、欧州の一員およびユーロ加盟国としてのギリシャの立場をリスクにさらさずに支援策の条件を修正することが連立政権の目的」としている。
党幹部によると、同国の国内総生産(GDP)に占める財政赤字の割合を2011年の9.3%から2.1%に引き下げる期限について、現行規定の2014年から2年間の延長を要請する方針。
期限延長に伴い、ギリシャ当局者らの試算では160─200億ユーロの追加資金を国外から調達する必要が生じる見込み。
失業保険の給付期間を1年から2年に延長することや、自営業経営者への失業手当て給付、公的部門の雇用削減を制限する案なども求めていくとしている。債権者は、主に退職を通じて、公的部門の雇用を15万人削減するよう求めている。
新民主主義党(ND)のサマラス党首は、初めての閣議で、閣僚の給与を30%削減する方針を表明。「新政権にハネムーン期はない。誤りは許されない。われわれの目標は、この国を危機から脱却させることだ」と明言した。
連立与党の一角を占める民主左派の報道官はNETラジオに対し「トロイカはギリシャに対し、存続可能かつ団結した、広く受け入れられる政権を望んだ。そうした政権が誕生したとトロイカが判断すれば、数々の重要な問題においてその立場は変わってくると思う」と述べた。
新たに発足した内閣は、閣僚18人のうちNDが13人、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が1人で、残り4人はテクノクラートとなっている。連立に参加したPASOK、民主左派の2党からほとんど閣僚が選出されておらず、アナリストの間では新政権の結束力の弱さを指摘する声が出ている。
ギリシャは、次回融資が実施されなければ、来月にも手元資金が枯渇する。次回融資の実施は、欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)の合同調査団「トロイカ」によって承認される必要がある。
バローゾ欧州委員長は、「トロイカ」が向こう数日中にアテネ入りし、新政権と意見交換するとともに、何がすでに履行され、何をこれから実施する必要があるのか調査すると話した。
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