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米FOMC、追加緩和措置打ち出さず:識者はこうみる

[ワシントン/ニューヨーク/東京 2日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は1日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、米経済回復の勢いは今年これまでに失速したとの認識を示し、今後国債の追加買い入れを行う可能性があることを示唆したものの、追加緩和措置には踏み切らなかった。

8月1日、米連邦準備理事会(FRB)は発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、米経済回復の勢いは今年これまでに失速したとの認識を示し、今後国債の追加買い入れを行う可能性があることを示唆したものの、追加緩和措置には踏み切らなかった。写真はワシントンのFRBで6月撮影(2012年 ロイター/Yuri Gripas)  市場関係者のコメントは以下のとおり。

市場関係者のコメントは以下のとおり。

●9月の緩和実施に含み残す、失望感乏しい

<楽天経済研究所 シニア・マーケットアナリスト 土信田雅之氏>

米連邦準備理事会(FRB)は追加緩和を見送った。ただ米景気に対する認識を下方修正しており、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での緩和実施に含みを残した格好だ。また8月末にバーナンキFRB議長がワイオミング州ジャクソンホールで行う講演で何かしらのメッセージを発するのではとの期待感もあり、今回の緩和見送りはさほど失望するほどではないとみている。

事前には過度な期待感もあり、前日の米国株式市場では主要株価指数が下落したが、下げ幅は限定的。一方、緩和見送りに伴って円高警戒感が遠のいており、日本株の下支え要因になるだろう。

●不安後退でカード温存

<セントラル短資 執行役員総合企画部長 金武審祐氏>

連邦公開市場委員会(FOMC)が追加緩和を見送ったのは、ひと頃よりは市場が落ち着いてきたためだろう。欧州の債務問題が危機的状況に陥り、スペインの国債利回りが急騰するなどしていた場面では、何か手を打つのでは、と読む市場参加者が多かった。しかし、ここにきて欧州当局者からの発言が不安心理を後退させていた。結果として緩和カードが温存できた格好だ。もっとも欧州中央銀行(ECB)が2日に開催する理事会では無回答はあり得ないだろう。

週明けには日銀会合も控える。国債市場で2、3年物の利回りが節目の0.1%を割り込んだため、国債や社債を買い取る資産買い入れ等基金のファインチューニングが視野に入っているのではないか。国庫短期証券だけでなく国債も下限金利が撤廃される可能性もある。

●失望、ECBに期待

<コンバージェックスグループの首席市場ストラテジスト、ニコラス・コラス氏>

やや失望した。量的緩和(QE)か金利据え置きの時間軸延長に関する新たな知らせを市場は期待していた。景気が悪化しているとされるのに、(今回の決定は)まさに現状維持だ。今回の声明は、これまでのものと似通っていてとても驚いた。もはや欧州中央銀行(ECB)に積極的な政策を期待するほかない。

●新材料は皆無、FRB内での議論の高まり示唆

<ミズホ・セキュリティーズの首席エコノミスト、スティーブン・リチュート氏>

市場では失望感が広がるだろう。米連邦準備理事会(FRB)の措置をめぐり、市場は先走っていた感があり、失望が広がってもおかしくはない。ただ、少なくとも想定内の結果になったようにみえる。

声明には新材料はまったくない。声明からは、FRB内で多くの議論が行われていることが示された。

●意外感ない、9月会合でもIOER引下げは予想せず

<クレディ・スイスの金利ストラテジスト、マイケル・チャン氏>

新たな発表がなかったことは全く意外というわけではない。QE3(量的緩和第3弾)や超過準備金利(IOER)引き下げはある程度織り込まれていたものの、9月会合で実施される可能性の方が高いとみられていた。ただ、われわれはIOERの引き下げは見込んでいない。

米国債にある程度の売りがみられ、イールドカーブがフラット化している。今後、長期債部分のフラット化が進むと予想される。

●QE3を市場沈静化手段として温存

<ワールドワイド・マーケッツの首席市場ストラテジスト、ジョセフ・トレビサーニ氏>

米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)の実施に消極的なのは、効果が非常に小さいからだ。言い換えれば、QE3に何らかの効果があるとすれば、そのほとんどは心理的なものになる。

投資家懸念の沈静化に効果はあるかもしれないが、経済に対する影響はほとんどないし、失業に対してはまったく効果がない。

FRBは量的緩和を市場で波乱が起きた場合に沈静化する手段として温存している。まだ行使する時期は来ていない。

●下振れリスク強調、緩和の用意明確に

<プルデンシャル・フィナンシャルの市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏>

米連邦準備理事会(FRB)は経済の下振れリスクをはっきりと強調し、必要に応じて緩和的な姿勢をとる構えを極めて明確にした。これは、FRBが現時点で追加量的緩和に踏み切らず状況を見極める、という市場の予想とほぼ一致した。

●ハト派色明確、一定の刺激策検討のもよう

<ウエストパックのシニア為替ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏>

連邦公開市場委員会(FOMC)声明は、経済活動が減速しているとの認識が示されるななか、ハト派色が明確で、一定の刺激策が検討されているもようだ。しかし市場が期待したほどハト派的ではなく、今後の政策行動に関する詳細もごくわずかだった。

*内容を追加して再送します。

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