[東京 5日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は、日本が消費税引き上げを予定どおり進めることが必要不可欠との見解を示した。
IMFは日銀に対し、インフレが見通しどおり上昇しない、あるいは国債市場のボラティリティが再び高まった場合、資産買い入れの拡大や買い入れ資産構成を調整を準備すべきと指摘した。
また日本の債務残高が膨大で追加財政政策の余地が少ないことから、中国への輸出減少など成長へのリスクに対しては、金融政策が防衛の最前線となるべきとの見解を示した。
5月の日本の審査報告書について、日本の当局者との協議を経て詳細を公表した。
報告書では「確かな財政・構造改革がなければ、開始された改革の信認に影響し、その成功を阻害することになる。これは日本だけでなく世界にとっても有害」と指摘。その上で「日本の債務水準は引き続き持続不可能で、金利上昇や資本フローの急変などの世界的なテールリスクの可能性が依然としてある」との見方を示した。
IMFはアベノミクスを支持したが、消費税は最低でも15%に引き上げるべきとし、債務水準の引き下げに向けて確固たる財政再建策を早急に策定すべきとの見解を示した。
IMFによると、国内総生産(GDP)に対する公的債務水準は、消費税が引き上げられなかった場合は2030年には245%程度となり、予定どおり引き上げられた場合でも210%となる。
予定される消費税引き上げについては、IMF理事会で「総じて支持」されたものの、一部の理事は「経済成長への悪影響に対する懸念を表明した」という。
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