[東京 29日 ロイター] - 東芝6502.T は29日、スマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)などを使ってスイッチのオン・オフや温度設定などができる通信機能を持った「スマート家電」の品ぞろえに、従来のエアコンに加えて冷蔵庫と洗濯乾燥機も追加したと発表した。9月中旬から順次発売する。
家庭内の電力消費を管理・調節する同社のクラウドシステム「フェミニティ」と接続することで、スマホで外出先からも遠隔操作ができる。顧客の節電意識が高まる中、消費税率引き上げ前の駆け込み需要も見込まれ、利便性を向上させた高付加価値製品を投入する。
スーパーで買い物していて冷蔵庫にどの食材がどのぐらい残っているかわからないとき、東芝がこのほど発売する冷蔵庫はスマホ画面で庫内の様子を確認できる。カメラを庫内に取り付けることで冷蔵庫の中を常時チェックでき、無駄な買い物をしなくて済む。
洗濯乾燥機は乾燥フィルターのつまりや洗濯終了などをメールで知らせる。エアコンは外からのスマホによる遠隔操作に加え、消し忘れをメールで送信。冷蔵庫やエアコンと同様に掃除のタイミングを通知したり、異常発生時にはメールで通知し、自動で修理センターに連絡する。
<売上高の20%をスマート家電に>
傘下の東芝ホームアプライアンスの石渡敏郎社長は、2014年度の同社の家電製品の売上高のうち「20%をスマート家電にしたい」と話す。来年度以降には電子レンジなどのスマート家電化を検討している。
また、消費税率については来年4月にも現在の5%から8%への引き上げが検討されているが、引き上げ前の駆け込み需要は「市場全体を10%押し上げる効果がある」と期待する。
店頭想定価格は、エアコンが14畳対応機種で27万円前後、冷蔵庫が容量556リットルで33万円前後、洗濯乾燥機は最高級機種で35万円前後。
スマート家電をめぐっては、パナソニック6752.T も昨年投入しており、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などで展開。三菱電機6503.T も11月から発売するエアコンがスマホで操作可能となっており、各社が対応を進めている。
ロイターニュース 白木真紀)
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