[ワシントン 7日 ロイター] 米労働省が7日発表した1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比11万3000人増にとどまり、伸びは市場予想の18万5000人増を大きく下回った。
失業率は5年ぶりの水準となる6.6%に低下したものの、景気の失速を示唆する内容となった。
市場関係者のコメントは以下の通り。
●雇用情勢の軟化続けば、緩和縮小ペース鈍化の可能性
<レノックス・ウェルス・アドバイザーズのデービッド・カーター最高投資責任者(CIO)>
残念なことに幾分弱めの結果となったほか、過去の発表分についても、さほど前向きな改定とは言えない。天候を弱い内容の要因とは断言できない。雇用市場の状況は改善しつつあるが、今後も一様でない改善となるだろう。
雇用情勢の軟化が継続するようであれば、米連邦準備理事会(FRB)は緩和縮小ペースを落とす公算が大きく、株式相場への追い風となる可能性がある。
●失望誘うが株式市場は動じない可能性
<リバティービュー・キャピタル・マネジメントのプレジデント、リック・メクラー氏>
失望を誘うほど低い数字だ。天候の問題を考慮するのは簡単ではない。どちらにしても明らかに失望する内容だ。この数字を無視する人たちもいると思うので、(発表を受け株価指数先物は下げたが)株価は戻すだろう。私の予想では横ばい水準になるだろう。それでも失望する内容だ。
●FRB、天候の正常化待ち緩和縮小ペース調整必要か見極めへ
<ピアーポント・セキュリティーズの首席エコノミスト、スティーブン・スタンレー氏>
やや失望を誘う内容だったが、悲惨というわけではない。かなりのノイズが存在する。昨年12月と今年1月の各部門の動向を見ると、天候がプラス、マイナスどちらの影響を与えたのかは判然としない。米連邦準備理事会(FRB)当局者の間からは、緩和縮小路線を変更するハードルは非常に高いとの見方が示されている。FRBは当局者は天候が正常化するのを待ち、その後、調整が必要かどうかを見極める必要が出てくるだろう。
雇用増のペースが変わることは想定していなかった。10、11月は過度に上振れ、12月は11月の反動で、軟調な結果となった可能性がある。
1月については天候のほか、季節調整や過去分の見直しなど、数多くの要因に左右された。重要なことは、雇用ペースは加速しておらず、依然として過去3年間の雇用増トレンドである17万5000─18万人のレンジにとどまっているということだ。
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