[ブラジリア 30日 ロイター] ブラジル中央銀行は30日、政策金利を11.50%から11%に50ベーシスポイント(bp)引き下げると発表した。決定は全会一致。ロイターが事前に実施したアナリスト調査でも、32人全員が50bpの利下げを予想していた。
中銀は8月と10月にも50bp利下げした。再度50bpの利下げに踏み切ったのは、欧州債務危機の深刻化で世界の経済情勢が厳しさを増しており、ブラジルのインフレも抑えられると判断したため。
中銀は声明で「理事会は、金融環境の調整プロセスを継続し、バイアスなしで政策金利を11.00%に引き下げることを全会一致で決定した」と指摘。その上で「理事会は、より制約的な国際情勢からもたらされる影響を緩和するために政策金利を緩やかに調整することは、2012年にインフレ率が目標に収れんするというシナリオと合致すると理解している」と前回の声明と同じ文言を示した。
バンコ・ファトルの首席エコノミストは「今回の決定や声明内容が変更されなかったことは意外ではない。調整が今後も進むとの見通しに変わりはなく、1・3・4月に50bpずつ利下げするとみている」と述べた。
11月中旬までのインフレ率は前年比6.69%と、中銀が設定する目標の上限を小幅上回っている。アナリストは来年中に目標の中心値4.5%まで下がるか疑問視している。ただ政府によるインフレ指数の算出法変更で、目標水準に近づく可能性がある。
多くのアナリストは来年末までに政策金利は9%に引き下げられると見込んでいる。
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