[フランクフルト 6日 ロイター] ユーロ圏の中央銀行当局者によると、中銀当局は金融システムへのショックがユーロ圏分裂につながる事態を想定、そのような場合は域内のシステム保護を優先課題と認識している。
域内のある中銀当局者は、周辺国の銀行システム崩壊がユーロ圏が、現在の形から分裂するきっかけになる可能性があると指摘する
欧州中央銀行(ECB)は先月、商業銀行が破綻した場合のシナリオなど、危機管理について域内各国の中銀と訓練を実施した。銀行が崩壊した場合には国債デフォルトにつながり、最悪の場合はユーロ圏離脱となる可能性がある。
中銀当局者は「このような場合、その他の域内のシステムを守る必要がある」とし、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の再編と銀行の資本増強での対応を指摘した。
中銀関係者は内々で、市場がユーロ圏分裂の可能性を20―25%とみていることに留意している。中銀は危機対応にECBが大幅に関与するプランBは回避したい意向で、経済改革やEFSF発動、緊縮財政策などを動員するプランAを好んでいる。
中銀当局者は「現時点で重要なのは、政治家に対して別の方法がある可能性をみせないことだ。政治家は別の方法のほうがコスト安となるかもしれないと思ってしまう可能性がある」と述べた。
ECBはユーロ圏各国が「財政同盟」で合意することを望んでおり、8―9日の欧州連合(EU)首脳会議では財政健全化に向けた条約改正に道筋をつける機会と捉えている。
イングランド銀(英中銀)はすでに、ユーロ圏分裂を想定し、政府や金融サービス機構(FSA)と危機管理計画を策定しつつある。
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