[モスクワ 10日 ロイター] ロシアのプーチン首相の退陣や4日に行われた下院選のやり直しなどを求めたデモが10日、同国各地で行われ、警察によると、首都モスクワでは約2万5000人が集結した。デモの主催者らは、参加者は最大で15万人に及ぶとしている。1991年のソ連崩壊後、最大規模のデモに発展した。
モスクワでは時折ヘリコプターが上空を飛ぶ中、あらゆる年代の市民が、抗議のシンボルである白いカーネーションを手にデモに参加。中にはプーチン首相とメドベージェフ大統領の写真を掲げて「お前たちはもう去る時が来た」とメッセージを送る者や「プーチンは盗人だ」などど叫ぶ者もいた。クレムリン付近では少なくとも100台の機動隊車両が待機したり、警察の車列が首都周辺をパトロールしたりするなど、物々しい雰囲気の中、デモは行われた。
野党指導者の1人であるウラジーミル・ルイシコフ氏は、不正があったとする下院選のやり直しや選挙管理委員会トップの解任、政治犯の釈放などを求めた。同氏は集まった市民らに対し「ロシアは今日変わる。未来が変わる」と語り、24日のデモにも参加するよう呼び掛けた。
交流サイト(SNS)の呼び掛けなどに呼応し、デモはモスクワ以外でも極東部ウラジオストクや第2の都市サンクトペテルブルクなど10都市以上に拡大。サンクトペテルブルクでは、目撃者らによると約1万人が参加した。この日行われたデモの大半は暴徒化を防ぐために市当局から許可が下りていたが、同国の通信社などによると、許可なく行われたデモの中には拘束者も出ているという。
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