[ニューヨーク 21日 ロイター] 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は21日、ハンガリーの長期格付けを「BBBマイナス」から1段階引き下げ、投資不適格クラスとなる「BBプラス」とした。
S&Pは格下げの理由について、ハンガリーの憲法や中銀、憲法裁判所をめぐる変更が政策の透明性および信頼性に疑問を生じさせており、投資環境を悪化させたと説明した。
格付け見通しは「ネガティブ」とし、3分の1の確率で来年さらなる格下げを行う可能性があると明らかにした。
ハンガリーの格付けを投資不適格クラスに引き下げたのは、ムーディーズに次いで2社目。
S&Pは声明の中で「格下げは、ハンガリーの政策フレームワークに関する予測可能性や信頼性が引き続き低下していることを反映したものだ」とした上で、「その一因は当局の行動にある。われわれの見方では、それが監視当局の独立性に疑問を生じさせ、投資環境が複雑になっている。それは投資や財政プランに悪影響を及ぼし、ハンガリーの中期的な成長見通しを引き続き圧迫する可能性がある」との見方を示した。
また、政府が年内成立を目指している新たな中央銀行法が中銀の独立性を損なう恐れがあると指摘した。
S&Pによる格下げを受け、フォリントの対ユーロ相場は304フォリント前後から306.60フォリントに下落した。
ハンガリーは来年50億ユーロの対外債務を借り換える必要があり、金融支援策に関する国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)との協議がまとまらなければ、再び危機に直面するリスクがある。
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