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米大統領が一般教書演説、富裕層の税負担拡大求める

1月24日、オバマ米大統領が行った一般教書演説は、11月の大統領選挙を控えて中間層に配慮した内容となった(2012年 ロイター/Jason Reed)

[ワシントン 24日 ロイター] オバマ米大統領が24日に行った一般教書演説は、11月の大統領選挙を控えて中間層に配慮した内容となり、富裕層の税負担拡大を求めたほか、金融機関への批判を強めた。

大衆迎合的色彩が濃くなった演説で大統領は「ウォール街が自らのルールに基づいて行動することが容認されていた日々に戻ることはない」と明言。また「億万長者への補助金をワシントンは止めなければならない」と述べ、富裕層に30%の最低実効税率を求め、配当収入やキャピタルゲインに対する課税の抜け穴を防ぐよう求めた。

大統領は住宅ローン負担軽減策の拡充も提案、現在の返済中の住宅保有者への負担軽減策を拡大するよう議会に要請するとした。これにより年間で1家庭あたり3000ドルの節減につながるという。住宅危機を悪化させたとして大統領は金融機関を非難し、銀行課税を財源とするよう提案した。

大統領は演説で「毎日ルールに従って賢明に働き、行動している多くの米国民は、同じ政府や金融システムの恩恵を受ける権利がある。トップから底辺にいる人まで、同じルールを適用すべき時がやってきた」と述べ、「バフェット・ルール」と呼ばれる富裕層への増税を含めた税制改革を打ち出した。

法人税改革も打ち出し、企業が国外であげた利益への課税のほか、雇用を国内に戻す企業には税額控除する方針を示した。

対中国問題では、政府内に新た通商担当部局を新設することを提案。米軍のイラク撤収やアフガンでの縮小などでの経費削減分(議会予算局の試算で2012―2021年に4400億ドル)については、半分を債務返済に、残りをインフラ整備に充てるよう求めた。

議会は民主・共和両党のねじれ状態のため、一般教書演説によるこう着状態の打開は見込み薄だ。年内は大統領選挙を控え、税制が与野党が鋭く対立する問題となっている。

今回の一般教書で打ち出された提案も、雇用回復への即効策とはなりにくい。ただ、大統領は議会での障害を認識しており、側近によると、景気回復を阻害しているのは共和党の姿勢だと印象付けることで再選に向けた得点稼ぎの思惑がある。

*情報を更新して再送します。

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