[国連 23日 ロイター] 国連の潘基文事務総長とアラブ連盟のアラビ事務局長は23日、デモ弾圧の続くシリアへの合同特使として、コフィ・アナン前国連事務総長を任命した。
国連が発表した声明では、アナン氏は「シリアで起きている全ての暴力や人権侵害を終わらせ、平和的解決をもたらすため尽力するだろう」とし、シリア内外の関係者などと会い、同国主導で政治的解決がなされるようアサド政権と反体制派の対話を促すなど仲介役を務めるとしている。
シリアへの特使任命は、今月16日に国連総会で採択された同国政府に対する非難決議に盛り込まれていた。同決議は、アサド大統領退陣を求めるアラブ連盟の計画を支持するもので、4日の安全保障理事会で中露の拒否権により否決された案と同様の内容。
アナン氏は1997―2006年、国連事務総長を務めた。その後、07年にはケニア大統領選後に起きた暴力を停止させるため調停に携わっている。
国連によると、過去11カ月にわたるシリア政権によるデモ弾圧で、市民5400人以上が殺害されている。
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