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第1四半期アジア企業景況指数は急上昇、昨年同期以来の高水準

[ムンバイ/ウェリントン 22日 ロイター] トムソン・ロイターがINSEADと共同で実施した第1・四半期のアジア企業景況調査で、主要企業の景況感が大幅に改善したことが明らかになった。米経済回復の兆候や、欧州債務危機に落ち着きが見られることを背景に、昨年第4・四半期まで3四半期続いた景況感の低下傾向に歯止めがかかった。

3月22日、トムソン・ロイターがINSEADと共同で実施した第1・四半期のアジア企業景況調査で、主要企業の景況感が大幅に改善したことが明らかになった。都内で2月撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)

ただコスト上昇や世界経済をめぐる懸念が根強いこともうかがえた。

第1・四半期のトムソン・ロイター・INSEADアジア企業景況指数は74となり、前回調査(2011年第4・四半期)の57から大幅に上昇、昨年第1・四半期以来の高水準に達した。この指数は50を上回ると景況の改善、50を下回ると景況の悪化を示している。

6カ月後の景況見通しについて、半数以上が「良い」と回答した。昨年第4・四半期には「良い」との回答が3分の1以下にとどまっていた。

調査はアジア太平洋地域の主要企業100社以上を対象に実施した。調査期間は3月12―19日。調査対象企業には自動車、銀行、テクノロジー、資源、不動産など幅広いセクターの企業が含まれる。トムソン・ロイターがINSEADと共同で調査を行うのは今回が初めて。

INSEADは、世界でトップクラスのビジネススクール・大学院。

<最大のリスクはコスト上昇と景気不透明感>

AMPキャピタル・インベスターズ(シドニー)のチーフエコノミスト、シェーン・オリバー氏は「昨年は欧州が崩壊するとか、米中経済がハードランディングするなどといった話が取りざたされたが、こうした懸念は一部後退した。最近の世界経済に関するニュースは明るいものになっており、これが恐らく景況感の改善につながったのだろう」と述べた。

同氏は「(景況指数の)上昇は一時的なものとなる可能性もあるが、アジアではインフレ面の最悪期は過ぎた。これで金融の状況が緩和、成長への信頼感が高まり、景況感は今年改善が続く」との見方を示した。

調査では、見通しに対する最大のリスクとして、コスト上昇や経済の不透明感が挙げられた。コスト高が最大の懸念としたのは燃料高に直面する航空会社。一方、調査に回答した金融機関12社のうちほぼ全社が、世界経済の不透明感を最大のリスクと回答した。ハイテク企業16社のうちの半数も、景気の不透明感を最大のリスク要因と考えている。

国別でみると、オーストラリアでは消費者の需要の弱さ、インドでは規制をめぐる不透明感、日本では円高といった懸念要因が指摘された。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のシニアエコノミスト、デービッド・デ・ガリス氏は、欧州中央銀行(ECB)が「欧州の流動性危機を受けて大量のマネーを供給した」結果、株式市場とクレジット市場は回復していると指摘。「金融機関には大きなプラス」と述べた。

<日本企業の景況感改善、復興需要で>

大きな被害が出た東日本大震災からおよそ1年がたち、武田薬品工業4502.Tやアステラス製薬4503.Tなどの医薬品メーカー、新日本製鉄5401.TやJFEホールディングス5411.Tなどの鉄鋼メーカーを含む日本企業の景況感は改善している。昨年第4・四半期には「悪い」との回答が多かったが、第1・四半期は「中立」との回答が大勢を占めた。

東日本大震災からの復興プロジェクトへの期待感がメーカーを中心に強く、内需増加を見越し、設備投資を拡大し始める動きも見られる。こうした状況を背景に、メーカーの多くの景況感は、昨年第4・四半期の「悪い」から第1・四半期は「中立」へと改善した。ただ、調査に回答した日本企業20社のうち「良い」と回答したのは1社のみだった。

日本企業の4社は、為替の変動が大きなリスクと回答した。為替変動をリスクと答えた企業の数は、昨年第4・四半期の2社から増加した。

ライファイゼン・ユーロアジエンのファンドマネジャー、ヨーガン・マイアール氏は「最近見られる米国の需要回復が、輸出主導の企業をはじめとするアジア企業の景況感改善に寄与している」とする一方、「欧米経済が大幅に悪化すればアジアの成長も打撃を受けるだろう」と述べた。

中国経済は今年、鈍化が予想されているが、中国企業の景況感への影響は大きくはなく、景況感は引き続き上向いている。8社が「良い」と回答し、「中立」との回答も8社だった。しかし、ある航空関連の企業は「良い」から「悪い」へと景況感を大幅に悪化させた。

中国企業の大半は、コスト上昇を見通しへの最大のリスクに挙げた。

インド企業の景況感は、明るさが増した。インド経済は昨年終盤に減速したが、2012/13年度は持ち直しが予想されている。「良い」との回答は6社で、前回の4社から増加した。2社は「中立」だった。

コスト上昇を主なリスクと答えたのは8社中1社にとどまった。そのほかでは、経済情勢や規制をめぐる不透明感を懸念する声が強かった。

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