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2月経常収支は一転黒字、貿易サービス赤字は過去最長

[東京 9日 ロイター] 財務省が9日に発表した2月経常収支は前年比30.7%減の1兆1778億円の黒字と、過去最大の赤字を計上した前月から一転して黒字となった。貿易収支が5カ月ぶりに黒字を確保したことが主因。

4月9日、財務省が発表した国際収支状況速報によると、2月の経常収支は1兆1778億円の黒字となった。写真は2010年、都内で撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

ただ、貿易・サービス収支は過去最長となる5カ月連続の赤字を記録するなど、所得収支が経常黒字をぎりぎりで支える構図が続いており、市場でも黒字幅の縮小傾向に変わりはないとの声が出ている。

<貿易サービス収支の赤字基調、リーマン・ショック時を超える>

経常収支上の貿易収支は1021億円の黒字と、先に発表された貿易統計と同様、5カ月ぶりに黒字へ転じた。世界的な景気減速を背景に輸出が前年比2.0%減少した一方、原子力発電所の運転停止で燃料などを中心に輸入が同11.1%増加したが、米国向け自動車輸出の復調などに支えられ、輸出の減少幅は昨年9月以来の小幅なものとなった。

貿易収支の黒字を打ち消したのがサービス収支。日本から海外へ出国する渡航者が増加する一方で、訪日旅行者数は減少基調が続き、サービス収支は1304億円の赤字と11カ月連続で赤字を計上した。

貿易収支と合算した貿易サービス収支は283億円の赤字と、5カ月続けて赤字となった。貿易サービス収支が5カ月連続で赤字となるのは、1985年の現行統計開始以来初めて。これまでの最長記録は、リーマン・ショック時の08年10月から09年1月にかけての4カ月だった。

<所得収支は安定した黒字基調>

所得収支は1兆2430億円の黒字。前年比で3.9%の増加となり、毎月1兆円前後の黒字を計上する基調に大きな変化はなかった。海外から受け取る配当金など直接投資収益が2140億円、金利収入などの証券投資収益が9825億円と、ともに前月からほぼ横ばいだった。

財務省は「貿易収支は従前より低水準にとどまる可能性がある。所得収支は安定した黒字基調だが、貿易サービス収支が(所得収支の黒字幅を)押し下げる動きを注意したい」としている。

<黒字幅はほぼ予想通り、縮小トレンドとの声>

ロイターが事前に民間調査機関を対象に行った聞き取り調査では、2月経常黒字の予測中央値は1兆1485億円。黒字幅はほぼ予想通りだった。発表後の金融市場では、外為市場で円が対ドルで81円前半へ小幅に上昇したが、影響は限られた。専門家からは「(黒字幅は)前年同期で見ると3分の1程度しかなく、黒字が縮小トレンドにあることに変わりはない」(RBS証券・チーフエコノミストの西岡純子氏)との声が出ている。

(ロイターニュース 基太村真司、マーケットチーム;編集 田中志保)

*内容を追加して再送します。

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