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市場で強まる手控え感、減速懸念と緩和期待が交錯

[東京 19日 ロイター] マーケットには手控え感が強まっている。欧州の債務懸念や米国の景気減速懸念が株式などリスク資産の上値を押さえる一方、金融緩和期待が下値を支える展開だ。

4月19日、マーケットには手控え感が強まっている。写真は2月、都内(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

市場センチメントは不安定であり、悲観、楽観どちらにも振れやすいが、イタリア国債入札や日米中銀会合などイベント待ちの投資家も多く商いは薄い。

<欧州債務問題に警戒続く>

欧州ではネガティブ材料が続いている。イタリア政府は18日、これまで掲げていた2013年の財政収支均衡目標を1年先送りした。モンティ首相が依然としてマーケットの信頼を得ていることもあって、18日の市場ではイタリア国債の利回りは小幅な上昇にとどまっているが、「あくまで一時的なテクノクラート政権であり、次の政権が再びイタリアらしく財政拡大に軸足を置きがちになるのではないかという懸念もある」(大手証券ストラテジスト)という。

イタリアはスペインに比べ財政赤字への懸念が小さい代わりに、経済減速への不安が大きい。イタリア政府は2012年の成長率について12月時点のマイナス0.4%からマイナス1.2%に予想を引き下げたが、1.5%程度のマイナス成長を見込んでいる第三者機関の予想に比べると、なお楽観的となっている。

スペインでは、同国銀行の不良債権が2月時点で融資残高の8.2%に達し、1994年10月以来の高水準となったことが明らかになった。不動産バブルの崩壊で同国の銀行は財務内容を悪化させており、銀行の不動産関連債権は3000億ユーロ強だが、このうちすでに1760億ユーロが問題債権となっているという。住宅価格が一段と下落すれば債権の不良化がさらに進むおそれがある。

市場では「安全網が確立されておらず不安が強かった昨年とは状況が異なる。欧州中央銀行(ECB)含め当局も問題には積極的に対応する姿勢をみせている」(三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏)との指摘もあるが、19日のスペイン長期国債入札を控え欧米株は反落。欧州中央銀行(ECB)の長期流動性供給オペ(LTRO)の期間3年を超える10年債の入札もあるため警戒感が強い。

やや円安が進んでいるが、軟調な欧米株に引きずられるように前場の日経平均.N225も反落した。前日みられたような先物買いが入らず、国内機関投資家の下値での買いも鈍いという。東証1部売買代金は4610億円で1兆円を下回るペースだ。

<金融緩和期待が株価下支え>

一方、「来週の米FOMC(連邦公開市場委員会)で動きがなく、日銀が追加緩和を行えば株価再上昇のきっかけになる。特に国債購入の年限延長やETFの購入拡大があればポジティブ材料」(大和証券ストラテジストの塩村賢史氏)との声も出ている。欧州債務問題が株価などの上値を押さえているものの、金融緩和期待が本格的なリスク回避を防いでいる格好だ。4月8日─4月14日の対内株式投資は2028億円の資本流入超と海外勢の日本株投資が続いていることを示唆している。

日銀の白川方明総裁は19日、訪問先の米ニューヨークで講演し、日銀の金融政策運営について、消費者物価の前年比上昇率1%を目指し、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入れによる強力な金融緩和を推進していくことに、完全にコミットしていると語った。為替市場では円売り材料として受け止められ、ドル/円は81円半ばまで若干ながら円安方向に振れた。

円債市場でも、午前の国債先物は戻り売りがやや優勢となり、マイナス圏に沈んだが、来週に日米金融政策当局の会合を控える中、様子見の市場参加者も多いという。

<2カ月ぶり貿易赤字>

日本の3月貿易統計は2カ月ぶりの赤字(826億円)となった。米国向け輸出が回復したものの、燃料価格の高止まりで輸入が増加基調を続けるなか、再び赤字に転落した。赤字額が予想より小さかったことで、一瞬円高方向に振れたものの、すぐに戻している。

みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏は「西村清彦日銀副総裁の発言で、海外時間に円を売った投資家がいたこともあり、そこで出払ってしまった可能性がある。IMMの円ショートは高水準にあり、リスク許容度でみれば円売りはかなりの水準まできている。円ショートポジションをさらに積み上げるだけの貿易赤字の内容ではなかったということだろう」との見方を示している。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 宮崎亜巳)

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