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非伝統的金融政策の政策効果、「極めて伝統的」=日銀総裁

[ワシントン/東京 19日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は19日、ワシントンの日本大使館広報文化センターで講演し、消費者物価の前年比上昇率1%が見通せるようになるまで「強力に金融緩和を推進していく」との方針を改めて繰り返した。

4月19日、日銀の白川総裁は、消費者物価の前年比上昇率1%が見通せるようになるまで「強力に金融緩和を推進していく」との方針を改めて繰り返した。5日撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

一方、日銀が進める資産買い入れは「非伝統的金融政策」と呼ばれるが、「効果を発揮するメカニズム自体は極めて伝統的」と指摘し、金利やプレミアムの縮小が主眼との見方を強調した。資産の買い入れ規模に対する過剰な期待をけん制したとみられる。

白川総裁は、日銀や米連邦準備理事会(FRB)など先進国の中央銀行が進める、ゼロ金利政策と金融資産の買い入れ等による金融政策について、「資産の種類や買い入れ規模の巨額さをみると、正に『非伝統的政策』であるが、そうした政策が効果を発揮するメカニズム自体は決して『非伝統的』なものではなく、極めて『伝統的』なものである」と指摘した。

日本経済の先行きについては、新興国などにけん引され復興需要が徐々に強まっていくにつれて「次第に横ばい圏内の動きを脱し、緩やかな回復経路に復していく」との従来見解を維持した。欧州債務問題については「テール・リスクが後退したことを背景に、欧州経済の減速に歯止めがかかってきている」との見方を示した。

<中国の安定成長への円滑な移行「決して容易ではない」>

中国については、「どの国も永久に高度成長を続けることはできない」と指摘。高度成長から安定成長への移行を円滑に成し遂げるのは「決して容易ではない」とし、「中国がいずれかの時点で迎える高度成長から安定成長への移行が円滑なものとなることを願っている」と強調した。

総裁は中国に対して、1)高成長を背景とした自己満足に陥るな、2)人口動態の変化に備えよ、3)バブルの引き金となりうる金融自由化後の金融機関の行動変化に注意せよ──との助言を列挙した。

<米国へのネット移民数鈍化に注意必要>

米国はバブル期に発生した対名目GDP(国内総生産)比でのバブルの規模が、日本と比べて「相対的に小さい分だけ、バランスシート調整の負担も小さくなる」との見方を示した。一方、「日本のバブルは基本的に一国に生じたバブルであったのに対し、今回起きたことはグローバルな信用バブルであった」と影響の大きさを懸念。また「米国の経済成長率の鈍化を反映して、米国へのネット移民数も鈍化していることには注意する必要」と述べた。欧州の金融機関による米金融商品への投資などを踏まえ、「米国の住宅バブルと欧州の過剰債務は独立の現象ではない。そのように考えると、バランスシートの調整にはもう少し時間がかかるかもしれない」との見方を示した。

(ロイターニュース 竹本能文)

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