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堅調な米決算に鈍い株反応、金融緩和期待が市場心理支える

[東京 20日 ロイター] 米国企業の決算発表が本格化し、市場予想を上回る堅調な内容が多いが、株価の反応は鈍い。予想増益率が低く、業績に対する市場の「期待値」が高かったわけではないが、年初からの株価上昇で、ポジティブ・サプライズ分をかなり先取りしてしまっており、株価の押し上げ要因としては力不足となっている。

4月20日、米国企業の決算発表が本格化し、市場予想を上回る堅調な内容が多いが、日本株の反応は鈍い。今月11日撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)

業績相場への移行期待が後退するなか、金融緩和期待が市場心理を支えている格好だ。スペイン国債入札を無難に終え、やや円安に振れているが、日本株の上値は重く、円債金利も低位で推移している。

<堅調な業績先取りした年初からの株価上昇>

予想外の黒字となったアルコアAA.Nや、市場予想を上回ったコカ・コーラKO.Nの株価は決算発表後、堅調となったが、同じく市場予想を上回ったJPモルガン・チェースJPM.NやインテルINTC.Oの株価は、それぞれ決算発表前より3.6%安、2.7%安とさえない。19日に発表した米マイクロソフトMSFT.Oも1株利益が市場予想を上回ったが、通常取引の終値31.01ドルに対し、時間外では31.87ドルと小幅な上昇にとどまっている。

トムソン・ロイターの19日時点の調査では、S&P500社のうち15%の第1・四半期決算発表が終了し、アナリスト予想を含め4.7%の増益予想となっている。低めの予想数字であり、市場の「期待値」が高かったわけではないことから、ポジティブ・サプライズが起きやすいとの見方もあったが、現時点では思惑が外れた格好だ。S&P500.SPXはアルコアの決算発表前の9日から0.3%下落。日本株への波及効果も小さく、インテル関連株のイビデン4062.Tや新光電気工業6967.Tなどの株価も動きは鈍い。

業績への「期待値」は低かったが、株価が年初からの上昇で堅調な業績をある程度織り込んでしまっていたことが株価反応の鈍さの要因だ。JPモルガンの株価は年初から約30%上昇、インテルも約14%上昇、マイクロソフトも20%上昇している。「下振れた3月米雇用統計をきっかけに米景気への不安が生じ、欧州債務問題の再燃もある。年初から株価が大きく上昇してきており、多少の業績上振れでは上値を買いにくい」(米系証券トレーダー)という。

一方、日本企業の2013年3月期業績見通しは急回復が予想されているが、日経平均225銘柄の平均予想株価収益率(PER)は約22倍と欧米平均の10─12倍に比べて高い。予想通りの増益予想が示されたとしても、素直に株価が反応するかは不透明だ。

前場の日経平均.N225は続落。注目されたスペイン国債の入札を無難に終えたものの、欧州の財政危機への懸念は根強く、上値が重い。立花証券・執行役員の平野憲一氏は「景気への不安から業績相場に移行できなくなっている。金融緩和期待が市場心理を支えており、来週の日米中銀会合への注目度が高まっている」と話す。

<為替市場はイベント控えこう着>

為替市場でもイベントを控え、こう着感が強い。ドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点からほぼ変わらずの81円後半でもみあいを続けている。

スペインが19日実施した国債入札では10年債の利回りが上昇しており、市場の不安は解消されなかったが、目標の調達額をクリアしたことで、市場関心は来週の日米中銀会合に移っている。「欧州への懸念が去ったわけではないが、相場的にはスペインの入札も終わって一段落した感がある。日米のイベントに相場の軸足が移ってきているとみている」(三井住友銀行・市場営業統括部チーフ・エコノミストの山下えつ子氏)という。

<織り込まれる日銀追加緩和>

24─25日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、追加緩和実施の予想は多くないが、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の会見で追加緩和を示唆するような発言が出るかが注目されている。一方、27日の日銀決定会合に関しては「追加緩和はほぼ織り込まれた。見送りならネガティブ・サプライズだろう」(大手証券トレーダー)との声も市場で出ている。

RBS証券・チーフ債券ストラテジストの福永顕人氏は、日銀が基金を5兆円増額するとともに、買い入れ期限を今の2012年末から2013年6月に半年間延長すると予想している。「買い入れる国債の年限は今と同じ2年債のままとし、短国、社債、6カ月オペなど、額を積み上げにくくなっているものから長期債に振り分けることも同時に行い、現在の買い入れペースを半年間続けて基金オペの最終形を達成できるものにする」と予想した上で、緩和の打ち止め感を鮮明にする可能性が高いとみる。

午前の国債先物は小幅続伸で午前の取引を終えたが、金融緩和観測や景気不安を背景に底堅い動きが続いている。長期金利も0.935%と低位で推移した。

日本証券業協会が20日発表した3月公社債投資家別売買状況によると、生損保の超長期債投資が、3月は1.8兆円と記録的な買い越しとなった。超長期債需要について市場では「金利上昇局面における国内勢の購入ニーズは極めて高い。超長期債の需給に大きな緩みが出ることは考えにくいことを裏付けた」(JPモルガン証券・山脇貴史チーフ債券ストラテジスト)との指摘が出ていた。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 山川薫)

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