[ミラノ 14日 ロイター] イタリアが14日に行った3年債(2015年3月償還債、銘柄統合)入札は、利回りが3.91%と4月中旬の入札時の3.89%から小幅上昇し、1月以来の高水準を記録した。
ただ、利回りが入札前の水準を下回るとともに、全体の調達額も目標レンジの上限に達したことで、入札後、流通市場ではイタリア国債に対する地合いが改善した。
応札倍率は1.524倍。4月中旬入札時は1.4倍だった。
財務省はまた、オフザラン(既発債)の入札も行った。利回りは、2020年3月償還物が5.33%、2022年3月償還物が5.66%、2025年3月償還物が5.90%となった。
調達額は、3年物入札が35億ユーロ、既発債入札が17億5000万ユーロで、総額52億5000万ユーロだった。政府の目標調達額35億─52億5000万ユーロの上限に達した。
ギリシャの政局混乱やスペインの銀行に対する根強い懸念に加え、13日実施された独ノルトライン・ウェストファーレン州の議会選挙ではメルケル独首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)が大敗するなど、今回のイタリア国債入札を取り巻く環境は望ましいものではなかった。
クレディ・アグリコルCIBの金利ストラテジスト、ピーター・チャットウェル氏は「3年債の入札結果は底堅い内容のようだ」と指摘。「市場の状況を勘案すれば、結果はおそらく一見したよりも良い」と述べた。
ブロクサム・ストックブローカーズのチーフエコノミスト、アラン・マクウェイド氏は「全般的な状況を踏まえると、イタリアは結果に満足しているだろう。だが全体的なトレンドは、利回りの低下ではなく上昇だ」と述べた。
10年物イタリア国債の対独連邦債利回り格差は、入札前の449ベーシスポイント(bp)からやや縮小した。
*内容を追加しました。
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