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緩やかながらも安定成長のメキシコ、株式市場へブラジルから資金シフト

[メキシコ市 24日 ロイター] ブラジル経済成長の勢いが衰えるなか、投資家の関心がブラジル株式市場からメキシコ株式市場に移りつつある。

メキシコの経済成長率は3─4%とブラジルと比較すると低いが、経済はゆっくりとしたペースながらも安定的に拡大している。

一方、規模でメキシコの2倍のブラジル経済は2010年に7.5%の成長率を達成したが、2011年の成長率は2.7%に失速した。これは、ペルー、コロンビア、チリ、さらに、エクアドルといった中南米諸国の成長率の半分に満たない水準。

ブラジル経済はコモディティ(商品)価格や中国からの需要動向に左右されやすい。中国の経済成長が最大の輸出市場である欧州の債務危機の影響で鈍化しつつあるなか、ブラジルから中国への輸出にも影響が出ている。

エコノミストの多くはブラジルの成長率見通しを引き下げる一方、メキシコの成長率予測は上方修正している。米国への輸出が拡大し、米国経済が欧州債務危機の影響に耐えることができるとの見方から、メキシコの当局者らは同国の2012年の成長率が4%近くに達すると見込んでいる。

キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のエコノミスト、ニール・シェアリング氏は「メキシコ(の経済成長)はゆっくりとしたペースで落ち着いているが、同時により安定している。一方ブラジル経済はローラーコースターに乗っているようだ」との見方を示した。

その上で「レアルをめぐる様々な影響が成長モデルに表れ始めている」と指摘した。

ただ、世界のファンド資金動向を調査するEPFRグローバルによると、債券ファンドは、政策金利が9%という魅力的な水準にあるブラジルに引き続き投資している。実質ベースではブラジルの政策金利は約4%。一方メキシコは1%。

メキシコの株式市場の流動性は他の新興国市場と比較して低く、上場企業も、富豪カルロス・スリム氏の通信会社アメリカ・モービルAMXL.MXやパンメーカー大手のグルポ・ビンボBIMBOA.MXなど同族経営の大企業が多い。

メキシコ経済は今のところ国内の麻薬カルテルとの闘争による打撃を回避しており、他の新興市場国が勢いを失うなか、これまで最悪の選択肢のように扱われていたメキシコの地位は上昇しつつある。

ブラジルと異なり、海外投資家の投資認可取得が必要ない点、最低投資期間もなく通貨も自由に交換できる点など、海外投資家にとってメキシコ市場への参入は比較的障害が少ないと、メキシコの当局者らは指摘する。

ブラジルのボベスパ株価指数.BVSPは今月に入り11%超下落しており、月間の下落率が2008年10月以降で最大になる勢い。

5月1─18日の間に国内株式市場からネットで25億4300万レアル(12億1000万ドル)の海外資金が流出した。ただ、年初からは12億9000万ドルの流入超となっている。

一方、メキシコのIPC株価指数の月初からの下落率は5%。中銀のデータによると、1─4月の株式市場への海外資金流入はネットで約20億ドル。

レアル高抑制に向けた措置のひとつとしてブラジル政府が導入した金融取引税は、海外投資家のブラジル株式市場離れにつながっている。

また、熱狂的な株式ブームを背景にブラジル株式市場に2006─2007年に上場した企業は100社を超えており、株価は経済ファンダメンタルズからかけ離れた水準に上昇した。多くの投資家は株価は割高とみている。

株価収益率(PER)でみると、ブラジルの小売り大手ロジャス・アメリカナスLAME4.SAはメキシコのウォルマート・デ・メヒコWALMEXV.MXよりも割高。ブラジルのビール醸造アンベブAMBV4.SAも、メキシコのコロナのメーカー、グルポ・モデロGMODELOC.MXよりも割高となる。

ただ、銀行や通信セクターでは状況が異なり、メキシコの大手銀バノルテGFNORTEO.MXやアメリカ・モービルは、ブラジルのイタウ・ウニバンコITUB4.SAやテレフォニカ・ブラジルVIVT3.SAVIVT4.SAよりも割高となる。

(Pablo Garibian/Krista Hughes 記者;翻訳 伊藤恭子;編集 山川薫)

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