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サービス価格指数がプラス転換、物価上昇の兆しちらほら

5月28日、日銀が公表した4月の企業向けサービス価格指数が3年7カ月ぶりにプラスに転じた。日銀本店で23日撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 28日 ロイター] 日銀が28日公表した、4月の企業向けサービス価格指数が3年7カ月ぶりにプラスに転じた。前週末に公表された4月の消費者物価指数も3カ月連続でプラスを維持するなど物価上昇を示す指標が増え始めた。

日銀ではデフレ脱却への確度が高まると判断するのは時期尚早と警戒を緩めていないが、物価の好転を示す事象が出始めている点には注目しているようだ。

日銀が景気との関連が高いとみる企業向けサービス価格指数の4月速報値は前年比0.2%上昇した。昨年に震災の影響で広告単価が落ち込んだ反動に加え、震災動向と関連の少ないソフトウエア開発費が3年8カ月ぶりプラスに転じた。宿泊関連なども震災の落ち込みの反動以上に伸びており、日銀では「足もとの改善傾向がより明確になった」(調査統計局)とみている。

また総務省が25日公表した4月の消費者物価指数(除く生鮮食品)も、燃料価格や高速道路料金の上昇、2月に品目入れ替えのあったテレビの影響などで前年比0.2%上昇となった。

しかし、日銀では昨年後半以降の景気回復の踊り場局面が今後の物価動向に影を差す可能性もある、として物価をめぐる安易な楽観を戒めている。国内物価に影響の大きい原油価格が、欧州債務問題を背景とした投資家のリスク回避により米先物市場で7カ月ぶりにバレル90ドルを割り込むなど下落しているのも懸念材料だ。日銀が14日発表した4月の国内企業物価指数も原油価格下落の影響で1年7カ月ぶりに下落に転じた。

一方、28日に公表された4月27日の金融政策決定会合・議事要旨では、一人の審議委員が消費者物価の下落率が「着実に後退している」と指摘したことが明らかになった。実際、中国の人件費上昇や、米金融緩和の打ち止め感などが構造的な物価上昇要因に注目する声も日銀内で聞かれる。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は24日、「経済が引き続き拡大する限り、追加措置に伴う効果が費用を上回る公算は小さい」と発言。ダドリー氏は米連邦準備理事会(FRB)の中核メンバーとされるため、米市場では事実上「量的緩和第3弾(QE3)は議論の俎上から消えた」との指摘も出ている。対ドルでの円高再燃リスクが少なくなれば、輸入価格の下げ止まりを通じ国内デフレ圧力が低下するとみられるためだ。

また政府・与野党関係者の間でも「復興需要の効果などで物価が上昇する公算が大きい」との声が聞かれ始めた。日銀は4月27日に公表した2012年度と13年度の消費者物価の見通しはそれぞれ前年比プラス0.3%、プラス0.7%で、「見通し期間の後半にかけて0%台後半となり」、その後事実上のインフレ目標である1%(「物価安定の目途」)に「遠からず達成する可能性が高い」とみている。今後の物価動向がどのように推移するか注目される。

(ロイターニュース 竹本能文:編集 宮崎大)

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